脚本基礎クラス 受講生レポート(随時更新)

脚本基礎クラス受講生の皆さんに、受講後の感想を書いていただいています。

シナリオなんて書いたことがない、まったくの初心者の方も受講されますが、そんな方でも30分もののシナリオは書きあがってきます。その質はもちろん、即映像化出来るものとは言えませんが、ゼロからスタートして書き上げるところまでいけるのは、本当に素晴らしいことです。

基礎クラスではシナリオに書き上げてから、楠本先生の最後の講義で〈ホン打ち(脚本打ち合わせ)〉〈改稿〉について講義いただいています。つまり、質を上げていくには、“改稿”が必要なのです。そして改稿の過程では基礎クラスで行った企画、アウトライン、プロット、ハコ(構成)というポイントを振り返って考えることになります。そういう意味でも、基礎過程とは、必ず立ち返る里程標を知り、学ぶ機会でもあります。

なにはなくとも、まずはここから。そしてどんなに書くことに慣れても、プロやベテランになっても、この過程は常にあるものです。本当に書きたい、始めたい、という方は、避けては通れない道です。ぜひ挑戦下さい。


 

 

物語作りの霧が晴れて

 私は小説家志望で、今までにも多くの物語を考え、小説という形に仕上げ、新人賞に出したり自家製本をして知人に読んでもらったりする、という創作活動に打ち込んできました。
 本講座を受講したのは、「小説と脚本の違いを知り、脚本も書ける作家になりたい」という動機でしたが……二ヶ月半の受講を終えて得たものは、私が望んだものをはるかに上回るものでした。

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 講座の中で多くの時間が割かれたのは「物語作り」の部分であったように思います。もちろんそれは、小説にも舞台脚本にもなる物語、ということではなく、映像作品にするための、映像として見せる物語、というものです。その「映像として見せる」という点は、本講座における「脚本」の特徴として深く意識させられました。

 ですが、その「物語作り」の方法、メソッド自体は、小説にも漫画にも、あらゆる「物語作り」に応用できるものであったと感じます。そう──この講座の前半で一番感激したのは、そのメソッドの濃さと深さです。

 メソッド、と言うと「脚本を書くための〜〜な方法」といったような指南本を思い浮かべる方もいらっしゃるかもしれません。ですが、本講座で伝授されるメソッドは、講師の先生が実際に現場でばりばり脚本を書いてきた中で確立してこられたオリジナルのもので、その内容を先生ご本人から直接、多くの具体的資料も交えて教わる体験は、「物語作りのための強力な武器を毎回毎回与えられる」といったように感じられるものでした。

 その「武器」のおかげで、本講座以外で進めていた物語作りにおいても、先の見えない霧の中を進む旅をするのではなく、はっきりと方位磁針を持ち、地図を書きながら進んでいく計画性ある行程を歩めるようになりました。

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 講座の後半で感動したのは、最終2回の「打ち合わせ」と「ホン読み」の体験でした。

 その2回は、脚本という形に作品を仕上げた上で、改稿や共有の機会として行うものかと思います。私はどちらもはじめての体験でした。

「打ち合わせ」においては、複数の人の視点が交わって物語が読み解かれることで、いかに現場では鋭い観点で物語がチェックされるかを垣間見て、驚きとともに背筋を正す思いでした。また「ホン読み」には、俳優コースの受講生の方が参加してくださり、自分の書いたキャラクターに「命が吹き込まれる」という体験を味わい、感動しました。

 ただ脚本作品を書き上げるだけでなく、現場で行う「打ち合わせ」や、俳優さんを交えての「ホン読み」の体験までさせていただき、大変に豪華な講座内容であったと感じます。

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 二ヶ月半、スケジュールに追われたり、物語が納得いく形にならない苦しみを味わったり、大変な思いもしました。ですが、本当に、受講できてよかった──かけがえない技術と体験を得られた講座だった、と感じています。

 ありがとうございました。

星乃(基礎クラス21-3)

脚本基礎クラスの受講を終えて

このクラスを受講している間は、毎週末の講義の日がとても楽しみでした。
そして、講義を終えた後は、また次の講義の日まで、自分の作品がどうすればもっと面白くなるのかを悩み考える日々でした。
行き詰まり、苦しい時もありましたが、それ以上に本当に楽しかったという思いが強く、終わってみれば約三ヶ月という期間はとても短く感じました。

元々は、映画が好きで、映画について学びたい思いを持っていた中で、今回の講義の募集を知り、思い切って応募しました。
今まで知る事が無かった脚本の制作過程を、とても分かりやすく、丁寧かつ論理的に教えて頂けました。
そして、今では映画を観る時には、教えて頂いた講義の内容を思い浮かべながら、以前とはまた違う視点で映画を楽しむ事が出来ています。

今回の講義では、他の受講生の方との出会いも、とても刺激的でした。
「良い作品を作りたい」という同じ志を持つ方と、お互いの作品について悩みや思いを話し合う時間は、自分にとって本当に貴重な経験となりました。

アイディアが出ずに壁にぶつかれば苦しい思いもするし、自分の無知で浅い考えに悔しい思いをする事もありました。
でも、それ以上に作品を形にできた時の喜びと、もっと面白くしたい、良い作品にしたいという思いを持ちながら、シナリオを書く事を楽しむ事が出来ました。

楠本先生、田中さん、他の受講生のみなさん、
ありがとうございました。

KB(基礎クラス21-3)

脚本基礎クラスに参加して

脚本の書き方を指導者の支えを受けながら、更にインプットとアウトプットの両方を通じて、体系的に学べた3ヶ月は大変に有意義な時間でした。

長い間、興味があったものの、なかなかその第一歩が踏み出せませんでした。自分一人でも出来ると感じていたのだろうと思います。しかし、今思うのは、厳しくもご丁寧なご指導を定期的に頂かなければ、永遠にきっと一人では何も出来ていなかっただろうということです。思いを整理するためのスキルが必要で、思いが的確に表現されているかを客観的な立場の方からご意見を頂くこと等一人では到底出来なかったと思うのです。もっとも私は期限がなければ、まだ時間はあると自分に言い聞かせて何もやらない怠惰な性格ですので、一人では鉛筆を握るまでにも相当な時間がかかりますので、この3ヶ月は自分の限界を乗り越えた時期にもなりました。

不思議なことは、あれほど一人では何もできなった今までなのに、いま朝起きて考えること、取り組むことは脚本について考えることです。忙しくて、何も出来ない日は、どこか悔しく思うこともあります。

田中様、楠本先生、3ヶ月有難う御座いました。引き続きご指導の機会を頂けることを楽しみにしております。

HM(基礎クラス21-3)

物語とは

シネマカレッジ京都さんによる脚本基礎クラスは僕にとって大きな学びがありました。僕は大学のサークルで映画を何本か制作して、将来映画撮れたらいいなぁと思っています。そんな僕にはありがたい講座でした。というのは、そもそも脚本の書き方をまともに知らなかったからです。それはこの講座でわかりました。講座以前は「あんな状況こと起きたら面白いなぁ」という思いつきで作っていました。ですが、初回の講座で決定的な、基本的なことを自分は知らなかったことがわかり、撮影以前にその元となる脚本をしっかり書けるところからまじめに取り組まねばと思いました。
その決定的で基本的なことは「物語とは」「ドラマとは」という問いに対する答えでもありました。その答えを聞くと、「なんだそういうことね」とスッと入ってくるものでしたが、それを踏まえて脚本を書くのがいかに難しいことか。楠本先生や田中さんに再三、それをおさえられていないことを指摘されました。講座を通して、なんども頭を抱え、書いて、書いたものを見てもらい、また悩みながら書き直すをひたらすら繰り返したことで、講座以前に書いていた脚本と比べ、講座で書いたものには命が宿っている気がします。
これから映画を撮るときには絶対的な自信になるし、また普段鑑賞するときにもそういう視点で映画が観れるので楽しみ方が増えると思うと、これはいいです。なるべく友達には、簡単に「物語とは」の答えを教えたくないなという気持ちが生まれてしまいました。それほど苦労したからです。
苦労したものの、もう絶対同じ思いはしたくない、というのはないので次回、次のレベルの講座があればぜひ受けてみたいです。

楠本先生、田中さん、シネマカレッジ京都のみなさんにはこのようなご時世の中、脚本講座を設けていただき本当に感謝しています。僕は変わったんです。お世話になりました。次回もよろしくお願いします。

臼井啓人(基礎クラス21-2) 

無題

自分の中で書きたい、形にしたい想いがあって、絵本でも小説でも漫画でもなく脚本を選びました。小説や漫画と違って脚本はそれだけでは作品にならない、映像になって初めて作品として完成するものだと授業で教わりました。私にとってこの創作活動は、自分の中でただ自己完結が出来ればそれで良いと思っていたので、創作を思い立った当初は、できた作品を誰かに見せるつもりは全くありませんでした。だから創作する上での媒体は正直なんでも良かったのですが、自分は絵は描けないし、小説は難しそう、そして映画は好きだったということもあって、「脚本なら簡単そうだし出来そう」と思ったからです。最初の動機はそんな理由からでしたが、授業を受けていくにつれ「物語を創る難しさ」を存分に味わいました。毎回授業での講評で指摘された部分を直す為、毎回マインドマップからやり直す作業は正直心が折れそうでした。「今度こそこれなら!」と思って創り直しても講師の方々から山ほどの指摘を頂くので、「キャラクターに葛藤を創れ」と言われていたのに、「この物語完成するんだろうか?」と自分自身に葛藤を創っていました。「進む方向」は教えてもらえるけど、「ゴール地点」というものがない(単に私がそこまで辿り着けなかっただけですが)世界なので、受講期間を終えた今でも五里霧中です。あるいはそれがやっと創作活動のスタート地点に立ったということなのでしょうか。一つだけ、脚本基礎クラスを受講したことで私の中で起きた変化を挙げるならば、最初自分の中で「心の中にあるものが形になればいいや」ぐらいに考えていたことが、「届くような(少なくともその時の自分にできる全てを注いだと言い切れるような)出来の作品にしたい」と想うようになりました。きっと自分一人でやっていたら、その考え方になることはなかったと思います。勉強の内容的な意味でも、一人でやっていたら「客観性」というものを学ぶ機会は得られなかっただろうと思います。受講生同士の作品の出来を確認しながらの授業はすごく勉強になりました。他の人の物語の作り方の考え方とか、受講生同士の批評でも自分自身では気付けなかった点を指摘し合えた経験は、得難いものであったと実感しています。より良い作品にするためには恥ずかしがらずに「人に読んでもらう」ことが大切だということは、この基礎クラスで体で学べたと思います。受講期間中に創作した作品の出来はまだ納得のいく出来栄えのものではありませんでしたが、脚本知識ゼロ、創作活動経験ゼロの自分でも「30分モノの作品を書き切る」というゴールテープは切ることができました。そのとき一緒に学んだ同期の受講生もです。きっとみんなも最初は、書き切ることにゴールを定めていたと思いますが、最後の方はみんな「どうすれば物語を良いものにできるか」が唯一最大の課題であって、終わってみれば「30分モノの作品を書く」という目標地点は誰もが自然とクリアできていたと思います。「脚本の技術を身に着ける」「面白い物語を創る」為には、「何度も何回も自分で書き続ける」しかないということも教わりました。今後も書いてみたい物語が心の中に生まれたら、自分のペースで、それを形にする活動を続けたいと思っています。

福本昌志(基礎クラス20-3)

実践的な試行錯誤ができる講座

脚本を書くことが全く初めての私でしたが、脚本の書き方について実践的に学ぶことができました。
講座では、脚本を書き上げる手順が論理的に説明され、作品作りに取り組む上で重要なエッセンスと的確なプロセスがぎっしりつまっています。
3ヶ月という短い期間での毎回の課題は、仕事との両立もあり、大変ハードなものでした。講座で得たエッセンスをどのように消化し、自分の伝えたいメッセージを形にするか。毎回のフィードバックをもとに、作品のことを徹底的に自分で考える贅沢な時間を過ごせた!と感じています。講座を通して試行錯誤する中で得られた感覚は、これからも書き続けるための糧になると思います。
30分の脚本を書き上げるという講座のゴールは、受講者にとって脚本家としてのスタートラインになるでしょう。少しでも興味があるならば、チャレンジする価値はあると思います。

カワハラ(基礎クラス20-2)

客観性を持つことの難しさ

これまで独学でシナリオを書いていたのですが、自分の書いた物に講師の皆さん、受講生の皆さんからアドバイスをいただけたことは刺激になりました。また、自分のシナリオに対して客観的な視点を持つことの難しさを痛感しました。
 受講中は締切りに間に合うよう課題を提出するのがとにかく大変でしたが、終わってしまえばあっという間で、今後、自分がシナリオを書いていく上での指針を見つけることができた有意義な時間となりました。

K.A(基礎クラス20-2)

行動あるのみ

昔から映画を観るのが好きで、映像の脚本の書き方に興味があったものの、なかなか「行動」に移す事が出来ていなかったのですが、コロナウイルス感染拡大の影響で予定が空き、まとまった時間が取れたことから受講を決めました。

元々舞台の脚本を書いた経験はあったので、受講当初は多少アドバンテージがあるかと思っていたのですが、講義が進むにつれ、舞台と映像の脚本ではそもそもの発想や考え方が違い、それぞれ似て非なるものである事が身に沁みてわかっていきました。

舞台作品とのアプローチの違いに戸惑う部分はありましたが、実際にプロとして活躍している楠本先生の講義は論旨が明快で、執筆のイロハから段階を踏んで教えて頂けるので、初心者でも脚本がどのようなプロセスを経て完成するのか、実践を通じてその理論を学ぶ事ができました。
理論と実践は得てして一致せず、そのギャップを埋める作業が難しくもあり、個性が問われる面白い部分かと思います。

受講を通じて、「名作」と呼ばれる作品がなぜ優れているのか、その理由が以前より実感を伴って分かるようになり、作品を「創る」力だけでなく「観る」力も鍛えられたように思います。

講座の中でも主人公の「行動」の重要性は再三語られますが、実人生においても同様、講義を受講するという「行動」、そして脚本を書くという「行動」が自分の世界を変えるということを、身を以て体験できました。
どうもありがとうございました。

Y.N(基礎クラス20-1)

脚本とはこんなに面白いものかと

私は3年程前まで、音楽活動をしていました。
とあるきっかけで活動休止になり、音楽以外でも何か他に夢中になれるものはないかと色々探していたところ、脚本に辿り着きました。
昔からドラマや映画は好きでしたが、脚本に関しては全くの素人で、「挑戦しよう!」と思って申し込みしたものの、初日を迎えるまでは講義にちゃんと付いていけるだろうかと正直不安でした。が、講義が始まってみると何のその。初日から楠本先生の話がめちゃくちゃ面白くて、「これはどハマりする。やばい。」と思ったことを思い出します。
何が面白いかと言うと、とにかく解りやすいのです。なぜこの項目が必要なのか、なぜこうしてしまうと上手くいかないのか等、「脚本に至るまでの仕組み」の疑問を徹底的に解説してくださり、今までわからなかったことがわかると言うのはこんなに面白いものかと、実感させられました。
もちろん面白いことだけではなく、毎回の課題の講評で、自分が思っているように汲み取ってもらえなかったりすると正直悔しいことも多かったです。
ですが、内容はどうあれ、色々と悩みぬいた上に脚本を仕上げることができた時には、本当に嬉しく、夢中になっていることに気付いた時には更に幸福な気持ちになりました。
また、他の受講生の皆さんの意見交換ができることも、シネマカレッジの面白いところだなと感じています。
それぞれで受け取り方や考え方が全く違って、その意見を聞くことによって新しい観点が芽生えると言いますか、とにかく楽しかったです。
受講してみて、まさか自分が脚本にこんなにハマっていくものとは思ってもみなかったので、まんまとしてやられた感でいっぱいなのですが(笑) 一度足を踏み入れたからには、とことん追求して、どんな形であれ書き続けようと思います。
今回の講座は一旦終了してしまいましたが、また次の講座があるならぜひ受講したいと思っております。

ありがとうございました。
そして今後とも宜しくお願い致します。

寺坂佑美(基礎クラス20-1)

映画を作る決意

 私が脚本基礎クラスを受講したきっかけは、とにかく自分が今まで勉強したことを学び直したいという思いからでした。私は今まで、脚本の参考書を読むことや、映画・ドラマの制作現場を通して脚本について学んできました。しかし、いざ自分で映画を作る為に脚本を書き始めても途中で止まってしまうことが多々あり、気付いたらそんな日々が5年以上続いていました。今年こそは、どうしても脚本を1本書ききって自主映画の制作に勢いをつけるぞ!と覚悟を決め、シネマカレッジで3ヶ月間みっちり勉強することにしました。

授業は、とても分かりやすかったです。脚本の参考書で勉強していた時は様々な本を読んでいたこともあってどれが正解かも分からなくなり、頭の中の情報が混沌としていました。しかし、それが楠本先生の授業を聞いて、優先順位をつけられるようになり、整理することができました。自分の中でブレない軸を生み出すことができました。今まで脚本を書ききることができなかった原因を知れたという意味で刺激的でした。

先生の言葉で印象的だったものをいくつか紹介します。まず、脚本を書く段階に入った時におっしゃった「腹をくくれ」という言葉です。これまでの僕は、脚本を書き始めても、途中で立ち止まり悩み続けてしまいました。そして、悩んでいるうちに何が面白いのか分からなくなって書ききることができませんでした。
僕は、この「腹をくくれ」という言葉をこのように解釈しました。「とにかく脚本が面白いか面白くないかは自分ではなく他人が決めるし、結局脚本を書いたとしても、まだ撮影や編集などが残っている。そして、脚本を書いても次に改稿が待っている。だから、とにかく脚本を書ききらないと始まらないのだ。」
そのおかげで、脚本の第一稿は、プロットまで進んでいましたが、思いきって企画のところから自分が何をやりたいのかまた考え直して、書ききることができました。しかし、それで終わりというものでは無かったのです。第一稿の講評会では、模擬ホン読みというものがあり、幸運にも自分の書いたものをみんなで1シーンから読んで疑問に思ったことや分からないことなど言い合っていました。それは、本当のドラマの現場だともっと殺伐としているらしいのですが、受講生の優しい言葉でも僕は心がもげそうになりました。なんとか対抗するぐらいにしかできず、もっとみんなとの話し合いにより代替案などを出せるようになりたいと思いました。
 僕の目標は、映画を作ることなので、脚本を書くことは通過点になりますが、引き続き脚本を書いて映画作りに臨んでいこうと思っています。映画を完成したら講師である楠本先生と田中先生に観てもらいたいと思っています。

山口晃三朗(基礎クラス20-1)

ありがとうございました

本文:数年前に某大学で映画学科の先生のお話を聞く機会があり、映画製作の裏側を学んでみたいと思っておりました。
コロナ禍で開講が危ぶまれましたが、無事最後まで受講できてホッとしました。
文章を読んだり書いたりすることは日常的に行っておりますが、脚本を書くのははじめてで、とても難しかったです。ですが、講師の先生方にとてもわかりやすくご指導いただいたおかげで、新しい学びを得ることができました。また、受講生のみなさんから拙作にアドバイスや感想をいただけたのも大きな喜びでした。本講座で得た学びが仕事のスキルアップにもつながりそうです。
これまでは単なる観客として映画を観ていましたが、この講座を受講したことにより、作り手としての視点で映画を観るようになりました。そのため、今まで見過ごしていたスクリーンの端々にちりばめられた製作者たちのメッセージを見つけ出す目を養えたように思います。
これまで時間に追われる毎日で、なかなか映画館に足を運ぶことができませんでしたが、これからは積極的に作品に触れようと思います。研究科が開講することになりましたら、また受講したいです。
短い間でしたが、どうもありがとうございました。

Y(基礎クラス20-1)

感じたこと

私がこの講座を受講して1番感じたのは、歯痒さでした。「表現する」ことに興味があって受講を申し込んだ私は、自分の表現のできなさに歯痒さを感じました。課題として自分の作品に取り組んでいく中で、自分の表現したいこと、伝えたいこと、書きたいことを上手く文字として形にできず、講義中、先生から講評をいただく時ですら、自分の言いたいのはそういうことじゃないのに、と思うこともありました。
そんな中、講義を通して映画の制作過程を勉強していくと、今まで見てきた作品がより繊細なものに感じむした。そして改めて、映画を作ることは凄いことだと知り、自分の中にあるものを人に伝えることがとても難しいことなのだと痛感しました。

私は結果としてこの講座中、自分の納得のいく作品を書き上げることができませんでした。ただ、この悔しさを知ったことがとてもいい経験となりました。そして、映画の内部を触れたことでまた違った映画の楽しみ方を得ることができ、とても良かったと思っています。
これからもっと多くの映画やドラマを観て、脚本の勉強を続け、いつか自分が納得できるような脚本を書けたらいいなと思います。

吉田匠(基礎クラス20-1)

感想文とかそういうの?

 脚本とはどのようなものかを知るために受講しました。そしてそれは、実際に脚本を書く事によって達成されたと思います。申し込み当初は値段やホームページなどを見て少し不安でした。6万円という金額は決して安くありません。学生なので身を削るような思いでお金を振り込んだのを今でも覚えています。しかし、実際に受講してみると値段以上に多くのものを得ることができました。3か月間は長いようで短いです。
 先生は女性で、とても気さくで良い方です。分かりやすく丁寧に脚本の事を教えて下さいました。課題のフィードバックも毎回丁寧にして下さいました。授業の最初に前回の復習をする所もよかったです。
 知識の垂れ流しをするのでは無く、しっかりと段階を踏んで脚本を作り上げてゆく事がためなったと思います。毎回の課題は提出期限が一週間以内のものが多く、学校の課題やテストが重なるとしんどかったです。しかし、これをなんとかやり遂げると達成感がありますし、実際もっと期限が長かったとしてもあまりクオリティは変わらなかったかなと思います。
 私はプロットがなかなかうまくいかず苦労しました。長い間いろいろと迷いました。そもそもの企画段階から無理があった気もしました。しかしなんとか最後まで形にはしました。とは言っても個人的に納得の行くものとはなっていないのでそのうちまた書き直そうと思います。期限が無いので、そのうちはいつになるのかなとは思いますが笑。
 そして、実際に役者の方が自分の書いた脚本を読んでくださるというのもとても嬉しかったです。貴重な体験だったなあと思います。私の場合はレアパターンで受講生が一人だったので、人数が集まるとこんな感じなのか・・・と少し感動もしました。
 受講前と後で変わった事はドラマや映画などの作品の見方です。知識があると無いとでは見方が変わります。それと、最近はネットで公開されている海外映画の脚本も読んだりしています。案外単純で日本人にも分かりやすい英語しか使っていないのだなーと思いました。字幕と照らし合わせると面白いです。むしろ自分は日本語の脚本よりも読みやすいなと思っています。
 今後の目標としては、とりあえず再び改稿をすることです。それはそれとして、今回の講義を受講して一番感じたことは自分が無知すぎるという事なので沢山の本や新聞を読もうと思います。そして毎年見ているアカデミー賞で脚本賞と脚色賞の部分もちゃんと見ようと思いました笑。

こんなな(基礎クラス19-3)

無題

映画を観るのは好きですが脚本を書いた経験はなく、全10回、7月から約4か月 週1回程度のペースということで、仕事もあるのに大丈夫か?また次の機会で良いのでは?とも考えつつ、ここで見送ったら たぶん一生申し込まない…!と、勢いで「やってみよう」と決めました。
脚本の講義とは…?いったい何をさせられるんだろうか?と(自分で申し込んでおきながら)不安でしたが、講義では講師の先生から毎回「脚本を書くために知っておくべき用語・テクニック」のレクチャーがあり、予備知識が全く無い私でも内容を理解することができました。また、実際に映画作品を鑑賞し、その作品の構造がどうなっているのか?主人公は?ストーリーは?と、「面白かったな~」で終わることなく踏み込んだ視点で検証する機会があったことは大変ありがたかったです。

講師の先生のおっしゃる内容は理解でき、納得もできるのですが、苦労したのは毎週の課題です。
個人的なイメージとしては、講義自体が自動車教習所の授業のようで。あんなに講義のところでしっかり「ブレーキはここ、ウインカーはこのタイミングで出してね、停車線では止まってね…云々」と先生から教えてもらったはずなのに、さあ運転してみるぞと課題に向き合うと最終的に「どうしよう」と途方に暮れる毎週でした。ハンドルを握って走り出すのが怖い気持ちがあり、後半になってくると思うようにコントロールができず、そもそも自分がどこを走っているのか?迷子状態でした。
ただ、コースの目標は「30分の脚本を最後まで書き上げること」です。課題も「目的地を設定(=伝えたいこと、テーマを決める)して、ひとつひとつ前に進む。区切りのところまで完走する。」という流れで組んで頂いているので(そして何より講師の先生や事務局さんの丁寧なサポートもあり、他の受講生さんからの刺激もありで)、何とか最後まで走り続けられました。「車両を制御して、自分が設定した目的地までの一本道を走り切る」たったそれだけのことが、たいへん難しいのだと知りました。

毎回課題を進めるなかで強く感じたのは、頼りになるのは「奇跡のように降ってくるアイデアやひらめき」ではなく、日々の訓練(たくさんの作品を観て学んでいくこと・技術をみがくこと等)と「目的地を設定すること」なのでは、ということでした。私の場合は「目的地の設定」がとても弱く、どれだけ運転技術も身につけても「どこへ行きたいのか」「どんな景色が見たいのか、見せたいのか」そして「何故、自分がそう考えるのか?」が無ければ、走り続けることはできないし、そもそも走ること自体が目的ではない。「自分がどこへ行きたいのか?」に、自分はもっと向き合うべきなのでは、と考えるようになりました。受講前は、脚本を書くにはきっと画期的な「テクニック」や「センス」が必要なのだろうなとイメージしていたのですが、必要なのはそれだけではないと考えられるようになったのは、自分のなかで大きな変化でした。

毎回の講義は緊張しつつも大変楽しい時間でした。講師の先生、事務局さん、ほかの受講生のみなさんの存在があったので(月並みな表現ですが、ひとりではなかったので)最後まで受講し終えることができました。ありがとうございました。

ウシジマ(基礎クラス19-2)

プロの水準を体感できました

当初は講座にとけこめるか不安でしたが、楠本先生の気さくなお人柄と、ほかの受講生の熱気に励まされて最後まで走りきることができました。ありがとうございました。
本講座はカルチャーセンターのように、単に知識欲を満たす、受講生に媚びるような雰囲気は一切なく、「プロの現場ではこのくらい求められる」という基準をきっちり示したうえで、足りない点を厳しく指摘していただく場でした。納得できない時もありましたが、いま振り返ってみるとすべてが血肉になっていると思います。
講座を受ける前、自分勝手に書いていた脚本と、講座の最終回に提出した最終脚本を読み比べてみて、まったく別モノになっていて驚きました。
脚本はクリエイティブな作業である以上、ひらめきも大切です。ですがそれ以前に、きちんとアウトライン、プロットという順序を踏むこと、不特定多数の他者に読んで理解してもらうことを念頭に置くことが最も大切だ、ということを学べたと思っています。
この講座にかかわってくださった方すべてに感謝するとともに、自身の脚本をドラマにするという目標を諦めずに精進していきたいです。

鳩貝くるみ(基礎クラス19-2)

脚本基礎クラスを受けて

受講前まで企画のアイデア出し、脚本制作に関しても簡単に考えていまいした。しかし、いざ自分でやってみると全然考えが浮かばない。そのアイデアも面白いのかどうか分からないという壁に突き当たりました。でも、その中から捻り出して形にする面白さも実感しました。1本の物語を創作する事の難しさ、面白さに少しだけ触れる事が出来た様に思います。
また、他の受講生の方が、自分では思いもつかない事を書かれてくる事がとても刺激になりました。正直、家で1人だけで通信講座の様な物を受けていたら、脚本を書ききれずに辞めていたかもしれません。また少人数の講義なのも良かったです。主体的に講義を受けやすい、受講者同士でコミュニケーションがしやすいのがメリットだと感じました。
楠本先生の授業も非常に分かりやすく、実践的だったと思います。受講前まで創作はもっと曖昧で感性に依るところが大きいと思っていました。しかし、楠本先生と田中先生の講義を受けて感じたことは、物語を構築することは理詰めの部分がとても大きいという事です。そして、情熱や伝えたいことが何より大切だとも感じました。
 受講してから、映画、ドラマを見る際に物語の構造に注目する様になりました。また、何故その映画が面白いのか、若しくはつまらないと思ったのか等、以前なら考えもしなかった事にも目が行くようになりました。
 今後、どのように脚本を書いていくかは分かりませんが、この講座を通じて得た物を活かしていきたいと思います。

藤田直希(基礎クラス19-2)

無題

映画が好きで、制作過程に触れてみたいという興味から「脚本コース」を受講しました。
 
 3か月間、脚本を書く上での基礎を学び、制作したことで、実際に映画の見方が自身の中で変わりました。具体的に「この映画のここが面白かった」と考えることができ、何となく観てた頃よりも映画を一層、楽しめるようになりました。これは、脚本の講座でシナリオに対する知識が増えたことと、制作過程の情報収集などによるものだと思います。
 
 また、実際にオリジナルの脚本を書いていくことで、脚本制作の面白さ、大変さ、達成感を感じることができました。
企画の段階では、作品のテーマや方向性、キャラクターの重要性など、よく分からないまま作業してましたが、講座が進むにつれて、それまでないがしろにしていた箇所が次々と後の工程で重要だったりしたので、考えている内は楽しかったりしますが、後工程で問題に直面した際は、大変でした。ですが、脚本が形になってくると、内容を問わず、達成感を感じることができました。
 この講座をきっかけに、今後も脚本を書いていきたいと思っております。

 短い期間ではありましたが、ここまで一つのことに一生懸命に取り組むことが出来たのも、楠本講師や田中さん、一緒に学んだ方々のおかげだと思っております。

 ありがとうございました!

はらしょー(基礎クラス19-2)

贅沢な体験

脚本基礎クラスを通じて、脚本の書き方だけでなく、
プロの目線や考え方を直接学べて、自分の作品への取り組む姿勢が受講前とは大きく変わったと思います。
作品を通じて観客に何を伝えたいのか、その為にどういったストーリーにしていくか等、
より具体的にアドバイスくださるのでとても勉強になりました。
提出した課題に対して毎回真剣に向き合ってアドバイスを下さるので、
自分も作品にしっかり向き合えば学べることが多いと思いました。
他の受講生の作品やアドバイスも講義で共有されるので人の作品を通じて、
自分の脚本に活かしていける部分が見つかったり、
他の受講生がいることで課題を乗り越えれる部分もありました。
最後の脚本を書く段階では講師の方だけでなく他の受講生がまず第一の観客という意識ができて、
自分の脚本を読んだらどう思うか、メッセージが伝わるか考えながら書けました。
人に作品を見てもらう前提があるのは作品作りにとってもいい環境だなと思います。
上手くアイディアが浮かばないと苦しいですが、それを乗り越え最後まで完成させることで、
今後も作品を作り続ける自信になりましたし、
あとは何より毎週映画館で映画について学べるのはとても贅沢な体験だと思います。

日髙和貴(基礎クラス19-2)

脚本基礎クラスを学び感じたこと

脚本基礎クラスとあって、基礎だけにやさしいものと思い込んで参加しました。
気分転換も兼ねていました。今後の自分の目指すものを模索している時期でもあり、軽い気持ちで参加したのですが、本当に先生方が熱心で、沢山のことを教えてくださるので、がんばろうと決心しました。

休んだ時も録音してくださり授業の遅れをカバーすることが出来たので良かったです。課題も多かったのですが、短期だということで目標が見えていたので頑張れたところもあります。
あと少人数制だったのでひとりひとりを見てくださっている感じが凄くしました。
本当に濃い時間でした。ありがとうございました。

授業前と授業後の変化といえば自信が付いたことです。
ただやみくもに物語を書いていたことが、しっかりと脚本の基礎を身につける事により、ひとつの作品として仕上げることが出来き、自信に繋がりました。

受講生同士も、友達や会社の人とは違った感覚(同志)の人たちと出会えたことが新鮮で楽しかったです。今後の目標は、学んだ脚本基礎をもとにアニメの脚本に挑戦していければと思っています。

宇藤(基礎クラス19-1)

ほんの少し「やってみよう」という気持ちがあるなら

3か月の講義の総まとめとして、脚本を書き終わった後、あるアニメ映画で主人公の少女が泣きながらこぼした台詞を思い出しました。「わたし、書いてみてわかったんです。書きたいだけじゃダメだって。もっと勉強しなきゃだめだって」。子供の頃から何度も繰り返し聞いたその台詞が頭の中で響いたとき、その意味をようやく自分で体感することができたと思うと、「気づくの遅いよ」と15歳の自分が嗜めてる気がしました。
社会人になって数年、仕事にも自立した生活にも慣れ始めた頃に出会ったのがこの脚本講座でした。それまでも、どこかで「書いてみたい」と書くことに憧れ、でも自分には難しいのではと心のどこかで諦めていました。講座の募集を見てからも両立できるか不安になりぐずぐずとしていましたが、このチャンスを逃すと一生を棒に振ってしまいそうな予感がして、締切直前に参加することを決めました。
参加してからは毎週の課題にウンウンうなされつつも、一つの作品に向かって集中できる時間を喜んでいる自分がいることに気づきました。教室で褒められるとしばらくニヤニヤが止まらなくなり、先生方からの指導を受けた時はズドーンと落ち込んでしばらく作品と距離を置くときもありました。それでも脚本を書き上げることができたその瞬間、ぐずぐずしてた今までの自分に教えたくなるくらい、心からほっとすることができました。昔よりも力をぬいて書くことができるようになりました。
作品を作ることはとても大変です。だけどほんの少し「やってみよう」という気持ちがあるなら、挑戦して損はないです。もちろん早くから始めるのもいいけれど、少し遠回りした大人になって書けるものもあります。3か月間、ご指導くださった先生方、そして一緒に書いたクラスの皆さんには感謝の気持ちでいっぱいです。ここで灯し始めたやる気の火を絶やさないよう、書き続けていきたいと思います。

木村瑠花(基礎クラス18-3)

無題

本講義を受けて一番良かったと感じる点は、一作目を作ることが出来たという点だ。どうしても自分一人だけだと、脚本を書く機会もなく、最後まで作り上げることが難しかったと思う。一作目を書けなかったら、当たり前だが二作目を作ろうとも思わないだろうし、何にしろ次につながらない。初めて脚本を書いたこの経験が次にどうつながるかは分からないが、最初の一歩を踏むことが出来たことは私にとって大きな経験になったことは間違いない。
 本講義では、映画の脚本の作り方を一から体系的に学んだ。映画制作の中でも脚本は、最初の段階だ。映画が出来上がる工程を順々に知れたことは、知識を増えた喜びというよりも映画制作の雰囲気を少し自分の肌で感じたミーハーのような高揚感として記憶されている。
 これからプロの脚本家になるならないに関係なく、本講義を通して一つの作品に向き合う時間の大切さを学び、またその時間を共有する仲間に出会えたことは、素直に良かったと思える。

北原央庸(基礎クラス18-3)

お手製の教科書

私がこのクラスを受講したきっかけが大学の授業と知り合いの勧めだったため、実はあまり映画に触れてきませんでした。正直大丈夫かと思いながら教室に入ったことをよく覚えています。最初の授業の時に、好きな主人公について聞かれ、とっさにうろ覚えの映画の事を言ってしまったことを、今でも後悔しています。あの時違う映画を出していれば…。
先生の話もわかりやすく、面白く、メモが追いつかない時がありましたが、脚本で迷走したときに読み返すと非常に参考になります。
しかし、なんにせよ先生の話が濃いです。毎回授業の中盤に休憩があるのですが、いつもぐったりしてしまいます。個人的にメモをよく取る自覚があるのですが、それにしても内容が濃いです。これから個人的に脚本を書くことがあるとき、助けになってくれるだろうな。というような手書きの教科書が誕生しました。
また、先生が何度も「書くことが大事」と言ってくださったおかげで、毎回ぎりぎりでしたがなんとか改稿までもっていくことができました。ありがとうございます。
私は結果として改稿前にアウトラインから全て書き直しましたが、なんとか終わらせることができて良かったです。
また、他の受講者の脚本(正確には脚本ではないですが)を見ることができたため、他の人の進度や他の人がどんな作品を書いているのか知ることができ、とても刺激になりました。
いつか、もっと長い脚本を書いてみたいと思えるような授業でした。
また、授業を受ける前より、映画の見方が変わったような気がします。前よりもっと、映画を好きになれました。
楽しい授業をありがとうございました。

竹葉みなみ(基礎クラス18-3)

無題

私はあまりこのような講座に参加したことがなく、最初はとても緊張していました。しかし、受講生同士や事務局の方、先生と気さくに話すことができ、講座を通してとても楽しかったです。講座では、ただ単に脚本を書くという方法論だけでなく、ストーリー作りの基本、脚本家が映像作品を作るときにどのような立場に立つのか、制作現場での打ち合わせについてなど、いろいろなことを教えていただけました。実際に俳優のトレーニングをしている方に、自分の書いた脚本を読んでいただくという経験をさせていただけたのもとても貴重な経験です。また、少人数での講義で、毎回フィードバックを個別にいただけたのがうれしかったです。
 毎週の課題提出は大変なことも多かったですが、今では良い思い出です。どうしても講義に参加できなかったときも、事務局の方が手厚くサポートしてくださったので、無事ついて行くことができました。

私にとって、この講座はとても有意義で楽しいものでした。今後も教えていただいたことを活かして、創作活動を続けていきたいです。

MM(基礎クラス18-3)

課題は講義の内容を忘れない当日中にやるのがおすすめです。

「映画もテレビもほとんど観ません」そう言って名乗った時、(やっぱり失敗したかな)と心底思ったことが忘れられません。会社に居るか家で寝ているかの生活を、一歩変えようと思って「短期の習い事」のつもりで見つけた講座でした。選んだ理由も、「ほかの受講生に気後れしないで、黙々とやれそうだから」
とはいえ好きな映画も言えない私は、やはり後ろめたい気持ちでした。でも、面白かったです。「主人公って、どういう人のこと?」「ストーリーって何のこと?」という楠本先生の最初の講義が全講義の中で一番琴線に触れました。「私も書いてみたいな」と。

企画がほかの受講生の方に比べて地味なことが、とても恥ずかしかったり。課題の進行に頭を使い過ぎて朝まで眠れず、仕事中が辛かったり。やっぱり企画変えたくなったり。

正直ちょっと嫌にもなりましたが、出来上がった改稿を職場の人に読んでもらった時、「(主人公)ちゃんが大好き」と言ってもらったのが、泣きたくなるほど嬉しかったです。講座のある日曜に休みがとれるよう、シフトを譲ってくれた人々だったので、本当に本当に良かったです。

講座が進んでいくうちに、自分だけでなく、ほかの受講生の方の企画が進んでいくのも、面白かったです。
自分が惨めになるんじゃないかと心配で、あまり読みたくなかった他の方の課題も、だんだんと「前回からこんな変わった!」「こうしたらもっと面白いんじゃ…」「え、なんでこの主人公こんなふうに考えるの?」と、いつのまにかかなり興味を惹かれて読んでいました。

私の企画に対しても、ほかの受講生の方が、私の企画の主人公の名前を呼んでくれたり、脚本を読みに来て下さった俳優さんに登場人物の説明を代わりにしてくださった時、私の企画も見守られていたんだと心からありがたく思いました。

楠本先生には、とても観察されていると感じていました。「映画観ないって言ったからかな。私、大丈夫かな」と思いましたが、受講生ひとりひとりが何を考えて、どういうものを作りたくて、どんな言葉が受け入れやすいか、考えてくださっていることがよく伝わってきました。

今回受講出来て本当に良かったと思います。
ありがとうございました。

K(基礎クラス18-2)

無題

受講したことで、映画を見るときの意識が変わったこと、またシナリオを書くという点で、日常の中での人間観察や自身や他者の行動などに普段よりもより意識するようになったと思います。

締め切りに向かって毎日考えていても実際に書くということはなかなか難しいことで、また十分に復習する間も無くとにかく書き進めるという点で仕事の都合と折り合いがつきにくく大変でしたが、
提出物にも丁寧に赤を入れてくださったことで、少しずつ解決できたような気もします。初心者の立場に単に迎合した指導ではなく、プロの意識を教えていただくような講義で基礎を教えていただきよかったです。
もう少しのびのびとできるのかと思っていましたが、前半はあえて締め切りづくしで、一つ遅れるとなかなかとりかえせないのだということがプロセスとしてわかり、それぞれきちんと取り組まなければ次のステップ段階でまた迷ってしまうということもよくわかりました。
受講生の方達のシナリオなども共有することで、見えてくる点が多く、改稿などは先生に限らず、受講生の方からも逆にいろいろと指摘メッセージをいただくことでさらに硬くて大さっぱな脚本が柔らかくなっていったような気がします。

NT(基礎クラス18-2)

無題

これまで通信のシナリオ講座や舞台の脚本講座などは受けてみたことがあったのですが、シネマカレッジの講座内容は実際のドラマの現場で活躍されている講師による、少人数制の実践的な内容だったのが自分にはとても勉強になり、またこれまでやってきたことを振り返る機会にもなりよかったです。
また講座内容も、書いたものを講評・共有という過程に至る前の構想の部分から、アウトライン、プロットという段階を一週間ごとに細かく分けて時間をしっかり取って進めるスタイルで、無理なく執筆に入っていける流れになっていたのもわかりやすくありがたかったです。
先生の指導は無駄が無くスマートなスタイルで、厳しめな意見もありますが自分の脚本の癖のようなものや弱点など、考えるタネを多くいただけて参考になりました。
他の受講生の皆さんの作品にも素晴らしいものがあり、「こういう表現があるのか」と得るものが大きかったです。
私の場合は全くの初心者ではなくそれなりに書いてきているはずなのに、色々と自分でも至らない点を思い知らされて前途多難な気分ですが、これを良い機会と思い、せめてコンクールに出すところまでは書いていきたいと思います。

F.K(基礎クラス18-2)

受講を終えて

一言で言うと「濃い3か月」でした。
始める前は、3か月という期間を短く感じていたのですが
多くのことを学んだ有意義な時間になりました。

講義はわかりやすく具体的で、
先生のお人柄も出ていて、毎回おはなしが興味深かったです。

講義後に出される課題は、講義内容が直結しているので
次の週には「理解できていること・理解できていないこと」が明確になります。これにより
(駆け足ではありますが)作り方を把握してすすめられるので、とても勉強になりました。
制作に役立つメソッドを色々教えていただいたので、これからも活用していきたいです。

働きながら課題をこなしていくのは、正直ハードな面も多々あり
課題を提出することで精いっぱいでしたが、講師陣のみなさまの優しさのおかげで
乗り越えることができました。

社会人になってから 久しぶりに学んだり、表現と向きあったりしたので
自分自身が一喜一憂することもふくめて、面白かったです。

最後になりますが、
楠本先生、田中さん、一緒に学んだみなさま、本当にありがとうございました。

サトウ(基礎クラス18-1)

家から一時間半離れた商店街の中のビルの階段をあがった三階の小さな部屋に三ヶ月近く、ほぼ毎週通い、三時間、缶詰になって脚本基礎クラスを受けたのは、脚本家としての成長につながったと思います。このクラスのためには通学や授業の時間以外にも膨大な時間をかけなければなりません。もちろん、この時間の中には、最初の授業で先生が仰っていたように、辛い局面もあります。宿題は終わりませんし、目下、最終課題の提出にヒーヒー言っています。
「でも、先生に教えてもらわなきゃ、こんなに長い時間脚本と向き合うことはできなかったんじゃないか」
脚本をこねくり回している真夜中に、ふと、そう思いました。数多の小さなアイデアを拾いあげ、広げ、形作り、発表する方法。これは教えてもらわなければわからない。この当たり前の結論に至ったとき、脚本基礎クラスに通ってよかったなぁと実感しました。思えば、以前脚本を書いたときはあるところで必ず行き詰まり、どうしていいかわからないまま、えいやっと無理矢理に発表していました。立ち止まった時に進む方向を指し示してくれるだけでなく、先の道の険しさまで事前に教えてもらえたからこそ、こんなにも長い道を歩いてこれたのだと思います。また出町座の脚本講座に通いたいので、とりあえずこの長かったレースを完走できるように、しばらくは夜遅くまで粘ろうと思います。

柴田惇朗(基礎クラス18-1)

アッという間の2ヵ月半

61歳のおっさんがこんなところに交じってしまうと、若い人たちに迷惑をかけてしまうのではないかと心配しつつも、思い切って受講してみました。結果、受講して本当に良かったと実感しています。
何よりも、人にモノを教わるという経験が久々で、しかもそれが会社の研修とかではなく、自ら学びたいと思って受講している内容なので、スポンジに水がしみこむように、気持ちよく、圧倒的な勢いで体に入ってきました。
楠本ひろみ先生の教え方はプロの経験に裏打ちされており、非常に的確で無駄がなく、とてもテンポの良い実践学でした。メンタル的にもフィジカル的にも非常にバネが効いた教え方をされるので、毎回3時間があっという間に、弾むように過ぎていきます。とても心地よい時間でした。
同期となった他の4人の受講生の方々も、そのままドラマにできるのではないかと思えるくらいキャラクターが立っており、その点も興味深いところでした。世代のギャップはもちろんありましたが、そこを再確認できたことも、ある意味収穫です。
もしこのレポートを読んでいる方に、年齢や立場や環境などで躊躇している方がおられましたら、今すぐサイドブレーキを解除して、アクセルを踏まれることをお勧めします。

匿名希望(基礎クラス18-1)

「君の名はに影響を受けた大学生」

ずっと誰かを探している。電車に乗り込む二人、並走する電車の向こうにはその誰かと思わしき姿が。確証のない確信が二人を襲う。「彼こそが」「彼女こそが」改札を出て東京の街をひた走る。ただ心が引き寄せ合うままに。すれ違う石段、互いを知り尽くしたはずの二人は振り返り、涙を流しながら声を揃える。“君の名前は“
という感動的なラストシーン。涙を流す友人を横目に僕はこう思いました。“一本取られた“
ありきたりなタイムパラドックス映画。しかし一切無駄のない内容。感動は次第に悔しさへと変わりました。
自分もこんな話を考えてみたい。映画がそこまで好きではなく、大学の体育会に所属している自分にとってはその考えは隕石から町を救うぐらい無謀なものでした。
しかしそんなときたまたま部活が停部し、ネットでこの教室と出会いました。このチャンスを逃すまいと勇気を出して応募しました。結果はもちろんやって良かったです。やりたかったことをやり通せたからです。
しかし、講義の内容は楽しさ:6、過酷さ:3、もう諦めようかな:1です。
初回の授業から胸の高鳴りが聞こえてしまうほどおもしろく濃い内容ですが、段々とその高鳴りは焦りの鼓動へと変わっていきます。なぜなら課題が進まないからです。
ですからここで僕はアドバイスをしておきます。まず講義が始まるまである程度しっかりと構想を練っておいたほうがいいと思います。いざ講義が始まってしまえば、ほぼノンストップでゆっくり作品と向き合える時間が少ないからです。
次に調子に乗ってカフェでパソコンを広げないことです。楠本先生も仰っていましたが、パソコンで書き上げてしまうと完成した気持ちになって余裕を持ってしまうからです。カフェでパソコンを広げることはかっこいいですが、より良い作品のためには紙に手書きでアイデアを量産していくべきだと思います。
僕自身、これまでただの大学生でしたが、今は“脚本の書き方を知っている大学生“になりました。もし自分と同じ大学生で迷っている人がいればぜひ背中を押してあげたいです。この大変な3か月は夢を追うことのできた3か月であり、自分と向き合える3か月でした。この経験は今後の人生のどこかで必ず役に立つと思います。
最後に指導してくださった楠本先生、個別にたわいもない会話をしてくださった田中さんには感謝を述べたいです。本当にありがとうございました!

宮水三葉(脚本基礎クラス17-4受講)

「1 歩踏み出してしまった、私」

パソコン画面を前に、私はギリギリまで逡巡していました。「脚本基礎コース」を申し込むべ きか、否か…。ドラマが大好きな40代。好きなことを勉強して知識の幅を広げてみたらどうだろ う。そんなぼんやりとした参加理由でしたが、いざとなると、不安がよぎりました。 「若い子ばっかりで、いい歳したオバちゃんは浮くんとちゃうか…」 「映画の知識バンバン語ったりするんかな。知識も実力もないのに、ついていけるやろうか。」 「出張が入って、授業にほとんど行かれなくなったら、6 万円もったいないしなぁ…」
迷いに迷って、ポチリと「申込む」のボタンを押したのは、なんと講座が始まる前日。幸い、 定員に空きがあり、滑り込みで脚本基礎コースの受講生となりました。
しかし参加してみれば、中年転校生のような不安は一気に消し飛びました。楠本先生の明解な 解説にすっかり引き込まれ、3 時間の授業が短く感じるほど。毎回目を輝かせながら、先生の言葉 を必死でノートに書き写すようになっていました。映画の知識のあるなしは関係なく、とにかく 自分で企画を出して、脚本を書いてみる。実践に、とことん重きを置いた講座でした。
初回でいきなり「次の課題は企画 5 本」と言われた時は不安でしたが、考えだすと意外と面白 いのです。テレビのニュースや出会った人、ポストに入っていたチラシ…いろんなきっかけから 「これ、ドラマになるんやないかな。」と思いを馳せるようになっていました。
また、周りも熱心な生徒さんばかりで、みんなの企画やシナリオを読ませてもらえることは、 ありがたかったです。先生の指摘をうけて、次々と新しい展開やアイディアを繰り出す姿勢は、 刺激になりました。
そして何より大きかったのは、「主人公が行動することで、物語が生まれる」というドラマの大前 提を学んだことでした。しかも、主人公が悩んだり、怒ったり、ふり幅が激しいほど、面白いドラマ となるというのです。ぼんやりと見て楽しんでいる時には分からなかった、ドラマの基本原則は、自 らの人生にもあてはまる、目からウロコのような言葉でした。
今回踏み出した、大切な 1 歩。これからも、辛いことや面倒なことに山盛り出会うと思いますが、 「これも、人生を面白くする、ふり幅のひとつなんやなぁ。」と思い、豊かなドラマにしていきたい と思います。

むかひら由子(脚本基礎クラス17-4受講)

「誰かの人生を描くということ」

立誠シネマに通っていたことから、本講座を知りました。
脚本の書き方の基礎を学べること、働きながらでも通えることに魅力を感じました。
脚本については知識が全くない状態でのスタートでしたが、
通い始めたころは「映画好きだし、何とかなるかな」なんて思っていました。
これが、何とかなりませんでした。

脚本だけでなく、オリジナルの物語を考えることも初めてで、
何を書いてもしっくりこず、しまいには何が書きたいのかさえわからなくなってしまいました
講座も終盤に差し掛かったころ、物語の主人公について何も知らないことに気付かされました。
それまでは自身の描く物語の中に主人公を当てはめようとしていましたが、
主人公がどんな人なのか、どんな人生を歩むのかを描かなければいけないのだとわかりました。

今回の講座で自分の無知さと考えの浅さを思い知ったと同時に、
描きかけた主人公の物語をちゃんと完成させたいという気持ちになりました。
この経験を活かし、とりあえず改稿から始めようと思います。
この度はお世話になり、ほんとうにありがとうございました。

安田尚代(脚本基礎クラス17-4受講)

 

「30分のシナリオを書き上げる」という目標に惹かれて受講を決めました。講義では、好きな映画に対する構造的な視点を知り、毎回ワクワクしながら受講しました。プロの現場の様子に触れられた事も刺激的でした。けれどもその楽しさとは裏腹に、毎回出る課題の提出は大変でした。初めてのプロットに講評をもらったあと、この作品を仕上げるのは無理だと感じて、一度、別の企画に差し替えようとしました。でも、それまで積み重ねてきたものを放り出して、急いで出した企画が良いはずもなく、結局もとの企画に戻すという回り道をしました。そもそも簡単に書けるものなどないのだと、あたりまえの事に気づき、とりあえず最後まで行こうと決めた瞬間でした。
脚本の初稿については規定枚数の3分の2しか書けませんでした。それでもとにかく、書いて提出。結果、提出することで講評がもらえ、書く必要がある情報が書き込めていないという事や、分かっているつもりでも理解できていなかった所が明らかになりました。先生から丁寧な添削を頂き、「書いてみなければ分からない」とはこういう事かと実感しました。「シナリオを書く」というプロセスは、自分の物事への取り組み方も見直すような体験となりました。
実は、まだ改稿の提出が残っています。少しでも頂いたアドバイスを活かしたいと願いつつ、締め切りを目指して只今作業中です。
難しかったけれども、もう一度やってみたい、と思っています。
楠本先生、事務局の田中さま、ありがとうございました。

SATOKO.K(脚本基礎クラス17-2受講)

「視点と脚本の難しさ」

脚本(のようなもの)は今までも何回か書いたことがありますが、自分で書いたものに納得ができず、受講を決めました。
脚本の勉強をしたこともなければ、当初はそもそも「面白い脚本」の作り方にメソッドがあることもピンと来ていませんでした。

受講してみると、知らなかったことばかりで、毎回見聞が広がることに一種の快感がありました。
脚本の構造(三幕構成・それぞれの幕での役割や流れ)の講義では、映画に対する視点を養うことができ、今まで観たことのある映画に対しても、「ああ、そういう仕組みなのか」と感じることができ、視野が広まった気がしました。
脚本の制作においても、脚本家の先生やプロデューサーの先生の意見や指摘を受けることでプロの目の付け所が体感できたことも多々ありました。

作品制作ですが、自分の中の「こんなものでいいだろう」という甘さが、プロットや脚本にずっと現れていていました。
つまり物語に中身のないセリフやキャラの性格・ストーリーに矛盾があるということです。
自分でも分かっていましたが、これを上手く処理するにはなかなかの根気が必要なことに気がつきました。
これが脚本の難しさのひとつなのだなというのを、身を持って体感しました。
ただ、これはある意味、自分が成長したなと思うところで、今までだと何が/どこが悪いのかの判断ができずじまいだったと思います。

今、改稿を終え、ある意味ひと段落したわけですが、今まで書いてきたものよりも”考えることができた作品”になっているんじゃないかなと思います(それでもまだまだ考える余地はありますが)。目の付け所が分かれば、どこが悪いのかが分かり、そこについて考えることができますからね。自分のなかで脚本の作り方の1パターンが確立したようにも思います。

これまで脚本を書いたことがあるよという方、あるいは学んだことあるよという方も何か得られるものがあるんじゃないでしょうか。
とても実りの多い三ヵ月でした。

匿名希望(脚本基礎クラス17-2受講)

「自分と向き合った4ヶ月間でした(泣)」

 暇つぶしにネットを見ていたある日。

そういえば若い頃はシナリオライターになりたかったな、なんて思い出して、「シナリオ学校 京都」などと検索して、本講座にたどりつきました。
何となく申し込んでひとしきり後悔。こういう所に来る人はきっと志高い人ばかりだ。その中で私みたいな中途半端な考えでやっていけるのだろうか。そんな思いが次々と浮かんできて、いっそキャンセルしようかと思ったくらいです。

 そんな超初心者の私でも何とか最後まで脱落せずに完走できました。ユーモラスで辛辣でテンポのいい楠本先生の講義、受けた後はモチベーションがかなりアップして、帰りの京阪電車の中ではしばし興奮状態でした。
見かけ(だけ?)はクールな田中さんは、提出課題へのコメントが、別人のようにいつも熱くて丁寧で繊細で、へこたれそうな時、何度救っていただいたかわかりません。クラスメートはみんな熱心で個性的で楽しくて、コースの早い時期から仲良くなれてたらよかったのになと少し残念に思っています。みなさま、本当にありがとうございました。

 自分の作品を他の人に読んでもらい評価を受けるというのは思ったよりも結構こたえました。
創造力やセンスや筆力が自分にはないという絶望感、他の人の作品が自分よりも全然上だという劣等感、一生懸命書いても、結局はただの自己満足作品でしかなかったという虚無感、要するにシナリオを書くことは自分のあらゆる感情と向き合うことなのだと思い知らされた4ヶ月でした。
でもこここで打ちのめされてる場合じゃないんですよね。立ち上がって歩いていかなければなりません。

 ちなみに立誠小学校での講義は、とにかく暑くて、なぜか子供時代の夏休みを思い出しました。
あの時、田中さんが差し入れしてくださったあずきバー、あれはこれまで人生で食べたおいしいアイスベスト3に入るのではなかろうかと、密かに思っております。(しょうもないことですみません)

鈴木里絵(脚本基礎クラス17-2受講)

「初めての氣づき」

 たくさんの氣づきがありました。

作者の都合で、”ウソ”を3つも入れていたこと。
ブレーンストーミング的にアイデアを出すこと。
観客は主人公の感情体験がしたいんだということ。
自分の本音を書くこと。
自分の好きなものだけを物語の中に入れようと思ったこと。
自分が浸っていて気持ちが良い物語を書こうと思ったこと。
その物語を紡ぐことが自分の歓びであるように氣をつけたこと。

これほど長い間、一つのアイデアを、あーでもないこーでもないとこねくり回して考え抜いたのは初めての経験でした。苦しくもあり、だからこそ、苦しくないように楽に楽しくやるにはと創意工夫も出てきました。

自分のアイデアや妄想を、初めて人前に素のまま晒け出して、あーだこーだ言われながら形にしていくことは、怖くもあり、気恥ずかしくもあり、面白くもあり、楽しい作業でもありました。
そして何より、恥かいても、半出来でも、全然納得いってなくても、とにかく書き上げて提出することの重要さ。
この講座で自分は初めて30分のシナリオを書き上げました。今まで何回書こうとしても書けなかったシナリオ、物語を、曲がりなりにも初めて形にすることができました。書き上げて初めて、楠本先生がおっしゃった、最後まで書き終えてエンドマークを付けることと、書いても途中までで完成させないことの差には、天地ほどの開きがあるということの意味がわかりました。見える世界が変わったような気分でした。
これからまだ改稿がありますが、やはりここがスタートかなという氣がします。
デッサンが終わって、筆入れをしていくような。
こういう機会をいただけたことに感謝しています。
ありがとうございました。

仁志弘之(脚本基礎クラス17-1受講)

学生の時に映画を撮るため脚本を何度か書いた事はありましたが、今回の講座を受けて、いかに自分が感性のみでなんとなく書いていたのかを痛感しました。
ただ表面的に物語の波を作ればいいというわけではなく、脚本を書く前の準備段階でのキャラクターの深掘りがあってこそ、観る人にとって自然に感じられる起承転結、カタルシスのある物語を作る事が出来る。脚本は演じる俳優によって解釈される事を踏まえて書く必要がある。それ以外にも脚本を書くためには途方もなく色々な事を考え尽くさなければならない。それでいて考え尽くしてもそれが面白いとは限らない。
そんなことを授業で学ぶのに、いざ自分で脚本を書いてみるとそれを全く取り入れることが出来ない。一人で袋小路になって、何度もうちひしがれました。
でもそれを克服するには書き続けていくことしかないんだなあと、また書き続けていてもずっと付き纏ってくる問題なのだろうと思います。どんだけ脚本家は大変なのか、、、。
講座では同じように苦しむ同期の姿があったので、励まされながら課題に取り組む事が出来ました。脚本を書こうと思っていてもなかなかその一歩が踏み出せない人にはおすすめだと思います。脚本を1本書けるようになります。
取り敢えずその1本を書き切るために、最後の課題である脚本の改稿作業に取り組んでいる真っ最中です。
次こそは締め切りに間に合わせたい、、です。

ビヤジマ(脚本基礎クラス17-1受講)

脚本について詳しく学びたかったのと、仕事をしながらでも通えることからこの講座を受講しました。正直、まったくの初心者だったので、最初はついていけるか不安でした。しかし、物語とはなにかという根本的な所から教えてもらったため非常に分かりやすかったです。また、映画好きの自分としては楠本先生がたまに話される小話も面白く、毎回三時間の講義があっという間だったのを覚えています。

講義は楽しかったのですが、課題の進行は中々大変でした。最初ほうはまだましだったのですが、「プロット」の作成あたりから頭を抱え始めました。楠本先生と事務局の田中さんから指摘されるたびに益々、訳が分からなくなっていきます。創作とはこんなに大変なものなのかと、身をもって痛感しました。

しかし、それでも乗り越えられたのは他の受講生の方々の存在が大きかったと思います。話をして、苦しんでいるのは自分一人じゃないと思えたことが原動力になっていたと思います。また、他の人の作品が回を追うごとに段々と良くなっていく様子を見ていたのも励みになりました。
今回の講義を通して、映画というものに対する見方が全く変わりました。作り手側がどういう意図をもって、製作しているのか、より一層考えるようになりました。今回の講義で一応、30分のシナリオを書き上げることは出来ましたが、とても人に見せられない酷い出来です。これからもシナリオを書き、もっとましな作品が書けるようになりたいです。最後に楠本先生、事務局の田中さん、色々教えていただき本当にありがとうございました。

澤田拓哉

「脚本基礎クラスを受講して」

 私がこの講座を受けて学んだ最も大きなことは、「書くことへの向き合い方」です。
 もちろん、脚本の書き方や映画づくりの基本的な部分、課題の講評などを軸にして講義は進んで行くのですが、その中で楠本先生や田中さんにいただいた、心や気持ちの面についての言葉が今でも強く心に残っています。
 私は、書きたいと思いながらも何もできずに毎日過ごす中で、突破口が見つかればという想いでこの講座を受けました。講義を受けている最中は本当に“ついていくのに必死“という状態で、意味は分かるけど実際書こうとするとできない、そもそも何を指摘されているのか分からない、何に悩んでいるのか、何が書きたいのか自分でも説明できないという場面に何度もぶちあたりました。書けば書くほど、伝えようとすればするほど自分の頭の中では良いと思っていたものがくだらないものに思えてきてしまって、自分の考えたものを誰かに伝えること自体を“怖いな“と感じました。
 しかし、自分が何を書きたいかが分からなくても、どんなにぐちゃぐちゃな作品でも、細かいことにとらわれすぎず、自分を信じてとにかく書いてみることが大切。それでたとえ没になっても、そこに掛けた時間や努力は消えるわけじゃない。楠本先生や田中さんがそんな風にいつも励ましてくださったことで、私は“書く“ということをより自分の近くに感じられるようになりました。
 最終的に、本当に満足できる作品が書けたわけではありませんでした。しかし、欠陥や矛盾だらけの作品でも、1シーンだけ、自分でも良いと思えるシーンが書けました。この講座に応募したこと、そして一本の脚本を書き上げたこと。小さな進歩ですが大切な一歩になりました。この記憶や先生方にいただいた言葉は、これから先もきっと忘れることはないだろうと思います。大切にして、これからも書き続けます。本当にありがとうございました。

堀田早貴(脚本基礎クラス16-4受講)

他校の脚本スクールで数年勉強した後の受講でした。受講前には、某コンクールで最終候補まで残るようになっていました。そんな私がなぜ基礎クラスを受講したのか。それは講義内容が魅力的だったからです。しかも講師は楠本ひろみ先生!現役のシナリオライターですよ。プロのシナリオライターから直接指導を受けれるなんて!しかも京都で!!
現役シナリオライターが直接指導…確かに東京ならね、ありえます。ですが、私は兵庫県在住です。東京には通えません。でも京都なら…二時間半です。資料請求して、即申し込みしました。

真夏の京都まで毎週休まず通いましたが、往復五時間もなんのその。講義内容はどれも実践的で、楠本先生作成のレジュメや受講ノートは私の宝で、今でも執筆時には必ず横に置いていつでも読み返せるようにしています。

つい先日、私の書いた小説が『女による女のためのR-18文学賞』(主催・新潮社/協賛・吉本興業)の最終候補6作に選ばれました。この小説は脚本基礎クラスを受講後に書いた作品です。楠本先生の教えに沿って書き上げました。五本企画から、アウトライン、キャラ作りのためのマインドマップ、プロット、ハコ書き、そして企画書まで。
どれも脚本を書くための講義でした。ですが、私はこの方法で小説を書きました。そうなんです、脚本基礎クラスの講義は十分小説執筆にも役立つのです。実際、最終候補昨になった私の作品も手順は同じ。脚本も、小説も、脚本基礎クラスを受講すれば書き上がる。だから、実践的なんです。

残念ながら『R-18文学賞』の受賞は逃しましたが、過去には最終候補作から映画化された作品もあります。企画書は完成しています。映画化へ向けての熱い気持ちを込めて書きました。ご興味のある映画関係の方々は、ぜひご連絡下さい!(笑)

渥 ゆ史か(あつい・ゆしか/基礎クラス16-2受講)

この先の人生で文章を書いてみたい、その前に全体の構成やルールを勉強したい、それに近いことを学べそうな学校が近くにあった、これが私の受講の動機でした。映画もドラマも殆どまともに見たことがない上に脚本が何かも知りませんでしたが、初めの講義から、共通鑑賞課題の映画で講義の意図やルールをわかりやすく教えて頂くというものでしたので、躓くことはありませんでした。講評はいつも赤で丁寧に記入を頂き、先生のストレートな表現が面白くて、学ぶことが楽しくて、一講義3時間、毎回自分の心音が聞こえるほどドキドキしておりました。
プロデューサーの回ではどの立ち位置でどんな人たちが映画を作っているのかといった概要を教えて頂いたり、講評で客観性、必然性を問われ矛盾を浮き彫りにして頂くことを通し、映画を観る目や課題への取り組み方は勿論、日常の仕事の仕方までがガラリと変わってしまいました。
改稿はマインドマップからやりなおし、絞り出し組み立て直して余分なものを捨てています。受講生は登場人物と同じように変化します。それはそう簡単に巡り会えない、素晴らしい経験だと思います。
楠本先生、田中さん、ありがとうございます。

田中 里佳(基礎クラス16-1受講)

私が講座を受講したのは、話を作ることが勉強して得られる技術ならば、修得したいという想いからでした。
映画やドラマ、映像のシナリオを書きたいのかというと、そうではありませんでしたが…。

受講しての変化は、筋道が前より見えるようになりました。
過去に書いていた作品と比べると一目瞭然、けっこう愕然としました。
どこに向かうでもない、今までどれだけ独りよがりなものを書いていたのかと。

だからといって技術が向上したかというと、それはそうではありません。
書きたい題材があるのにアイデアを活かしきれない苦しさは、現在も相変わらずです。
けれどそれはもう、少しずつ改善を重ねて、地道に続けて力をつけていくしかないと思っています。

講座を受けて、見えなかった所に一筋の光が見えました。
私にはそれだけで十分、価値のある講座でした。
お世話になりまして、ありがとうございました。課題の締切をいつも破ってすみませんでした。

匿名希望(基礎クラス16-1受講)

中級クラスは三度目の受講となります。
三回とも、楠本先生と事務局田中さんが、手を変え品を変え、講義の形を工夫してくださり、今回も新しく課題に取り組むことができました。
が、やはり変わらずにネックになるのは、作品に反映される自分という存在で。

まずぶち当たったのが、プロットです。
同じモチーフをこねくり回して、計十回以上書き直したものの、先生もプロデューサーさんも良しとはしてくれません。
書き直したものを時間外にわざわざ見てもらっても、ダメなものは駄目。もう何をどうすれば良いのか、途方に暮れました。そうこうするうちに、他の生徒さんはハコに進んでいく……。もう最後通牒とばかりに、楠本先生から「このプロットでハコへ進め」とメールでプロットを読んだ時には、結構凹みました。

続いて、「改稿」です。
私は今回の中級で初めて「改稿」を学んだように思いました。
というのも、丁寧な事務局回や本ウチの授業があり、他の生徒さんの作品が変わっていく様がつぶさに分かったからです。

最後のクラスが終わって初めて、「改稿とは何ぞ?」が分かった気がしました。
「プロット」にしろ「改稿」にしろ、自分の作品に何が足りないか、先生や事務局さんの言葉ではあまりに抽象的過ぎて、一皮むけない自分にかなりフラストレーションが溜まりました。

「もっと人の裏を読んだり、汚い部分を想像したりしなさい」
ありがたいお言葉です。脚本を学ぶと、生き方も変わってくるようです。

北村紗代子(中級クラス16-1受講)

受講した感想としては「面白かった」その一言につきます。
 物語とは何か?
 そんな単純な問いから始まった講義は、回が進むごとに物語が構造的であることを教えてくれました。とある映画を観て、それがなぜそう作られているか、分解して、理解する。ただの観客の視点から、クリエイターとしての視点へと切り替わっていく。そうしたときに、物語に配置されている『意図』が目に見えて、また物語が面白くなっていく。
 たった9回の講義ですが、とても意味のある講義ばかりでした。
 よく「作品が最高の勉強材料だ」なんて言葉を聞きますが、未熟なうちは真に受けない方が良いのかもしれません。自己流に、ただ闇雲に作品ばかりみても気づけないことがあるはずです。分解して、理解する。それを効率的に行うには、やっぱりクリエイターとしての視点を育てる必要があるはずです。
 この講義では、その視点を学ぶことが出来ました。
 もし、私がこの講義を受けずに自己流で進んでいたら、何年たっても気づけない『意図』がありました。だからこそ、この講義を受けて良かったと心から思います。物語に対する、私には足りなかった視点を補えることが出来たのですから。
 最後になりますが、楠本先生、事務局の方々、2か月半もの間お世話になりました。まだ改稿という作業が終わっていませんが、ぼちぼちと締め切りまでに終らせて提出いたします。(必ずや)
 すごく楽しい講義、ありがとうございました。

スナバ(基礎クラス15-4受講)

 僕は学生の頃はサークル活動で小説を書いておりました。その影響で創作論をかじるようになったのですが、そこでは「三幕構成」や「プロット」など、映画由来の用語をよく見かけます。それならばいっそ映画論そのものを勉強すれば良いじゃないか、とシドフィールドやリンダシガーを読み進めてみました。しかし知識はついても、使いこなすのはなかなかうまくいかないもの。そこで時間と予算の都合がつくこの映画脚本講座を見つけ、受講いたしました。
 さて受講した内容ですが、これが予想以上に面白く、とても勉強になりました。
 良いプロットとは何か? なぜプロットを作るのか?
 盛り上がらないクライマックスは何がいけないのか?
 そもそも、ストーリーとは何なのか?
 講義ではこれらの疑問に対して明確な定義を当てはめ、そして実例を確認しながら課題に取り組みます。
 講義期間の2ヶ月半は、脚本開発の各工程について段階的に学びながら、自分のアイディアを企画として少しずつ育てていくものでした。社会人として働きながらこの講座を受講して課題をこなしていくのはなかなかハードです。課題は間に合わないことばかりでしたが、自分の疑問や考えを先生やスタッフの方に訊ねて、すぐに答えて頂けるのはとてもありがたく、また面白い体験でした。
 面白い作品を見るのは面白いですが、それらを作るのはもっと面白いですし、それらを作っている人達はさらに面白いです。この講義ではその一端に触れることができて、とても良かったです。

北山みちる(基礎クラス15-4受講)

「寒い京都で脚本修行」

 1月から3月にかけての最も寒くなる時期に、週一回のペースで京都に通いました。
 講義は日曜日に限定されているので、土曜日出勤がある場合でも、休まずに授業に参加できるので申込を決めました。
 平日はもちろん仕事をしながら週末に京都に行くわけですので、京都で温かいものでも食べて、ぶらつきながら15時からの授業に出る。そんな観光気分で通いだしました。
 これがとんでもなく甘い考えであったことは、この後に出される課題に必死になって挑んで行く事態で明らかになりました。
 最初は「5本企画」の宿題です。提出期限は五日後。
 あせりました。考えれば考えるほど、出てきません。しかも日曜日の夜から木曜日の提出まで、業務のある中でいつ宿題にとりかかれるのやら、心配でしたが、何とかやれば出来るもの。思いついたら夜中でも、時には仕事中でもさっさと書けばそれなりに出来ました。
 でも5本ともどれもイマイチ、冴えない出来にショック。こんなはずでは無い、との思いがいつもついてまわりました。
 そんな冴えない5本の中から「ましな1本」を自身で選んで、次はアウトライン(ストーリー)の作成です。
 主人公を取り巻く環境やイメージを「手書き」で書き出して行きます。
 「手書き」でなければならない理由は、アイデアは右脳の働きから生まれる。
 右脳による発想やひらめきは「キーボード入力」では生み出されない。
 これは楠本先生のお考えです。
 正直、私は半信半疑でしたが、コレが驚くこと、企画、アウトライン、プロット、構成、執筆、改稿と進めて行くと、右脳の発想やひらめきを求める場面と、左脳の分析や論理が必要となる場面とでは明らかに自分に求められている要素が違っています。
 確かに、企画やプロットは「キーボード入力」では限界がありました。
 自由な発想が阻害される感じがあります。
 この次はプロット(あらすじ)の作成です。
 これも非常にタイトなスケジュールでの提出でした。
 企画で選んだものが、今度は主人公が誰で、主人公の行動目標がどのようなものであるかを決めなければなりません。
 書けば書くほどに選んだ企画がつまらないものに思えてなりませんでした。
 それでも、うまみを探して、主人公のキャラクター、状況設定、クライマックス、エンディングのカタルシスを作り、魅力的なストーリ−を目指しましたが、納得の行くものにはならないままに提出。
 やっぱり、プロデューサーから突っ込みもあり、企画自体の見直しを迫られました。
 ピンチです。
 しかし、次の構成を提出する期限までには少し余裕がありましたので、今の企画のままで着眼点を変えた内容を検討することにしました。
 人間とは本来「怠け者」であります。
 余裕があることで、逆にすぐには行動できず、結局ギリギリになっての宿題提出でした。
 これはプロであっても誰しもが陥りがちなこと、だから「ホテルかんづめ」が有効なんですねえ。
 自分を律する為のスケジュール作成がそれだけ大事かを頭だけで理解しましたが、やっぱりこのような状況になると身体が言うことを聞いてくれないような気はします。
 なんとか提出した構成を元に、いよいよ脚本執筆です。
 ト書きと台詞でシーンを積み重ねる。
 このように書くのは簡単ですが、一つ一つのシーンを考えるといろいろな見せ方があります。
 どのように書けば伝わるシナリオになるのか。
 簡単ではありませんでした。悪戦苦闘の2週間。しかも今週は仕事で東京出張。ノートパソコン持参での出張にしました。
 まさに出張先のホテルで夜中までの脚本作成は、私の「初ホテルかんづめ」体験になりました。
 そして、先生や参加されていた生徒さんからの講評を受けて、この作品は改稿段階に入りました。
 言われたことを参考に改稿すると、物語が壊れて行きます。
 壊れないように繕い繕い作りあげた脚本は、やっぱりまだ自分の納得出来るものではありませんでした。
 こっから先は中級クラスで教えて頂くつもりです。
 コレが、私が一本の脚本を作り上げるまでの経緯です。
 これらの段階を踏んでいくたびに、毎週の授業ではもちろん、楠本先生から、作成の手順、心得等の講義を受けていました。
 「創作することを教える」ことは大変困難なことだと思います。
 しかし、楠本先生の授業は大変分かり易いものでした。
 それは、すべての創作過程で、観念的にならず、現実的で理知的に作業手順を教えていただいたからだと思います。
 そして、毎回の講義は、最初に前回のおさらいをして頂いてから今回の講義内容に入って行くと言う構成であったことで、心に落ちる授業となったいました。
 また、事務局が講師となって行われた「映画概論」や「本読み」、プロデューサーが講師となって行われた「プロット講評」があったおかげで、脚本を自分の目線だけでなく、別の角度から見れる視線を獲得出来たと思います。
 まだまだ、私の格闘はこれからも続きます。
 あらたなクラスで授業を受けて、いつか自分が納得できる脚本が書けるようになるために、シネマカレッジ京都の皆様にはサポート頂きたいと希望します。

匿名(基礎クラス15-4受講)

「70代の手習い」

何か新しい事をはじめたい。最初は芝居の台本とかを考えました。とりあえずインターネットで調べて、シネマカレッジ京都、脚本基礎クラスを知り、すぐ申し込みました。
始まって一緒に学ぶ方々は皆さん孫に当たるぐらいの若さです。でもそれは想定内でした。
まず、映画『レインマン』を観て後、1回目の講義があり、映画のあらすじを追いながらシナリオの説明がありました。次に観る映画の指定もありました。(何か楽しいな)そんな気分でした。
楠本ひろみ先生の講義はまず声にはりがあり、聞き取りやすく理解した心算でしたが、それは錯覚でした。
早速、五本企画、という課題の宿題がありました。アッという間に期日が迫り、考える時間も無く思いつくままにたどたどしくキ-を叩いて、なんとか送りました。添付という機能を使うのも初めてでドキドキしました。
アウトラインも、ただただ課題提出はしたものの、ついて行けてない感じです。
次の講義のときにはっきり思いました。私だけピントがずれている。30分のシナリオなのに内容がごたごた長い。
そして最大のピンチ、企画意図、とプロット、添付で送ろうとしたところパソコンが故障、こりゃ、とうとうパソコン潰れた、「もう、辞めたら」と天の声がしたような気がしました。
しかし水道工事の人が誤ってパソコンの線を切断したためと翌日わかりました。提出したプロットは、途中までなので、これは楠本先生には送れませんと温厚な事務局の田中さんに書き直しをうながされました。メールでいろいろアドバイスも戴きました。
それからアウトラインに楠本先生の赤ペンで記された疑問符や指摘、コメントと首っ引きでプロットをかきなおしました。その後、楠本先生の指摘もあり、今までの話の1部を切り取る形に改めました。ハコ書きそして脚本。
何とか脚本提出はできました。しかし講評の後、帰って来た脚本にあるおびただしい添削,駄目だし、コメント等々、尤もだとは思うもののむつかしすぎてどうしたらいいのわかりませんと、言ってしまえばおしまいなので、何とか努力して改稿に取り組みます。
楠本先生、事務局の田中さま、共に学んだ皆様ありがとう御座いました。

立入 美代子(基礎クラス15-3受講)

「制作までへのまわり道」

脚本を書きたい。
なら紙とペン、もしくはワードソフトがあればいい。賞レースのために、形式に従ったものを仕上げたいのであれば、参考になる資料はたくさんある。しかし、その始めることの容易さこそが、書くことの難敵であったりする。
人は何かに「圧され」て、ペン先を紙に圧し、パソコンのキーを指で圧し、文字を書き連ねていく。
いつでも書くことができるという圧力のなさは、いざペンを握ろうとも、パソコンを立ち上げようとも、白いその画面に気持ちがツルツルと滑って、結局また明日と制作を先送りにする。
シネマカレッジ京都の脚本講座は、全9回の授業のうち7回目を超えてから、いよいよ脚本本稿の制作に取り組む。短すぎず、長ったらしくもない、2ヶ月半のスパンで書き出しに至る。その間に知っていった方法や約束を使って、7回目の授業までにフツフツとプロットを煎じ詰めていく。学校に行く途中の道のりでも、授業で扱われる自分の構成やプロットが伝わるかどうか、こうしたほうがよかったんじゃないかなどと、考えざるを得ない。それは拘束から生まれた義務にも似ているが、シネマカレッジの授業は定められたルールの中で書くのではなく、あくまで方法を教えてくれた上でのその実践であった。講師はどんな題材でも、どれほど出来が不十分でも、読んで的確に指摘してくれる。義務よりか、教わった方法に圧されて、課題をこなし、脚本制作へと向かっていく。当然〆切りという容赦ない外圧もある。
圧され進んで、結局クラス全員が30分の脚本を書き上げた。もちろん第1稿で完成であるわけがない。改稿の仕方の授業が直接受ける授業の終わりである。ここから圧力がどんどんなくなっていく。テストが終われば勉強はおろそかになっていくものだ。しかし〆切りや授業はなくなったが、教わった方法はなくならない。書き上げて、さらにまた書き始める困難にぶち当たりつつも、そういえば脚本とはドラマの制作を始めるために絶対に必要なものであり、書き出さない限りドラマは始まらないことを第1回の授業で習ったことを思い出す。
ひとり閉じこもって書くことは辛くもあるが、書くことはドラマを起こすアクションでもある。そして立誠へ通ったことも、ドラマを起こすアクションの一つである。このドラマの結末に至るためにも、再度書くアクションを起こし続けようと思う。

宮田 陽介(基礎クラス15-3受講)

脚本にもともと興味があり、指南書などを通して勉強していた矢先、シネマカレッジ京都の存在を知りました。今回、受講してみて良かったことは脚本の書き方はもちろんのことですが、それ以上に先生、一緒に受けた受講生やスタッフの皆さんと出会ったことで自分の映画に対する考えがいかに浅かったかということに気付かされたことでした。歳や経験の差で自分とは違う価値観で映画を捉えている人に出会えたことも大きかったと思います。簡単にいえば、この環境で映画についていろいろな面で「刺激」を受けたということが大きかったかのように思います。講義も初心者から分かりやすく脚本を書きあげられるように設定されていたので、理解しにくい指南書を読む前に一度受けてみた方が理解力に差がうまれると思います。これからもジャンルを問わず様々な映画やドラマを見て勉強し、今回の講義内容を思い出しながら脚本を書いていきたいと思います。今後の目標としては、ベタではありますが、お客さんが映画を見て「明日からがんばろ」と思えるような作品を生きている間に何本か書ければいいなと思います。また機会があればシネマカレッジの講座に参加したいです。

小泉 洋介(基礎クラス15-3受講)

ト書きすら知らない、無知な状態からシナリオの基礎について教えて頂きました。
シナリオが小説とは違う最大の点は、シナリオを基にして多くの人達と協同して、
それをフィルムに描かなければならないということを学びました。
その為、自分の頭の中のカメラに映っているものを、いかに他の人にも分かってもらえるように
書くかというのが、やはり私にとっては一番難しいことでした。
とかく、自分の思いが先行して、独りよがりだったり、自分だけが分かっている、または、人もこれなら
分かるんじゃないだろうかという、手前勝手な傾向に走っていたと思います。
しかし、自分だけではなく、他の人にも自分が書いたものを読んでもらうことで、
そうしたことに気付かされることが多々あり、他の人に自分の書いたものを読んでもらう
重要性も併せて学ぶことが出来ました。
それは自分ひとりで書いていては絶対に気付けなかったことだと思います。
それは共に学ぶ相手や、初心者を相手にして辛抱強くご指導くださった講師や事務局の方の、
サポートがあればこそと感謝しております。ありがとうございました。

小恵(基礎クラス15-1受講)

本講義を受講し自分は、脚本制作の形式を学ぶことができました。内容の善し悪しに関係なく、物語を考え形にするためには脚本のつくり方を知る必要があると改めて思います。脚本を書く経験のあまりない人がいざ脚本を書こうとすると、伝えたいことや見せたいことばかりが頭に浮かび、書きたいけど伝わらないという結果に陥りやすく、書き方を理解することは想像力を制限するどころか掻き立てるのだと教わりました。また課題をこなしていく中で困難があるのですが、すべてプロになる前に知っておくべきものだと思うので、とても勉強になりました。

鍋島 興市(基礎クラス15-1受講)

脚本を書く正しいメソッドを学べてうれしかった。今までは全体を見渡さず、思い付きをまとめたものだったが、先に全体を決めてから書いていくという方が合理的だし、直し易いと学べた。また、何回も直しをするうちにどんどんと物語がまとまり、考えもまとまってくるというのは新鮮だった。
誰かに自分の作品を批判されるのは初めてで、強く出てしまうことが多々あってしまったが、それに沿って直しをすれば確実に作品はよくなるので、批判の重要さをよく理解できたと思う。
それと本当にプロデューサーの方と会話したり、役者さんに本読みをしてもらえるのは、それはそれで新鮮でいい刺激になった。
今回習ったことで一番重要だったのは、イメージはイメージだけではないに等しいということ、またテーマに焦点を当て、それを表現する方向にする(言い換えれば、テーマが絞られるまで何度も煮詰める事)が大切なのだとわかった。

福田 匠(基礎クラス15-1受講)

この講座を受けるまで、何か物語を考える際に注意していたポイントは、二つだけでした。台詞が説明クサくないか、矛盾が生じてないか…逆に言うと、それらだけ抑えておけば万全だろうと高を括ってもいました。しかし講師の先生が最初に教えてくださったのは、主人公がいかに物語と密接に結びついているか、ということ。物語の展開や、書きたいシーンのことばかり考えていた私にとって、それは思ってもない視点でした。思えば、講師の方に指摘されたような客観的な・多角的な目線をもたなかった今までの作品は、随分独りよがりなものになっていたのかもしれない、と気づかされたことがこの講座を経て起こった、一番大きな変化だと思います。
 「好きなものを好きなように、好きなだけ」そのような創作方法も作者ならではの熱量や作風が反映されて面白いですが、スタンダードな方法論を知っているか知らないかでは随分と違うと実感しました。絵描きに例えると、デッサンを踏まえたうえでデフォルメするか否か、といったところでしょうか。
また、先生の教え方もとても丁寧で分かりやすく、用語の意味から始まり、脚本家の方だからこその裏話のようなエピソードまで聞くことができたので楽しく講座を受け続けることができました。

匿名(基礎クラス14-4受講)

脚本講座を受講して、きちんと構成を考えて書くようになりました。講座を受ける前はただひたすら書きたいことを書いていくという形で書いていましたが、きちんと考えてから書くようになり、日々の作品の質も徐々に上がっていったかのように見えます。講師の方の指導は非常に丁寧で、有名な映画の構成を例に挙げて進めていくスタイルはとてもわかりやすく、楽しく学んでいくことができました。

つん(基礎クラス14-4受講)

脚本を書く上で一番重要なことは、文章が書けること――この講義を受ける前はそう思っていました。
しかし、講義を終えた今、それだけでないことがよくよく分かりました。

もちろん、脚本を書く上で文章力は必須条件ではあるのだとは思いますが、
それよりも大切なこと(そしてそれは私にとって非常に難しいこと)が沢山ありました。

例えば、主人公をいかに動かすか、プロットポイントはどこでそれはその後の主人公にどう影響するのか、
そもそも主人公の物語を通しての欲求は何なのか、など。
これらをひとつひとつ明確にしながら脚本に仕上げていくには、文章力だけでは到底成り立ちません。
企画力はもちろん、物事を客観的かつ多様な角度から見る力に、論理的な思考を持つこと、
情報収集力、そして何事にも疑問を持つことなど、挙げればきりがありませんが、
脚本を書く上ではそういった力が非常に重要となってくるのだということを学びました。

全10回の講義を終え、人生初の脚本を何とか書き終えました。
しかし、自分ですでに気付いている点や現時点では見えていない問題点も含め、
まだまだ改善すべき点が多々あります。
講義をしていただいた先生方や一緒に講義を受けた皆さんのご指摘を参考に、
これからも改稿を続けていきたいと思います。

課題は大変でしたが、「何かを学んでいる」ということが楽しく充実した3ヶ月でした。
お世話になった皆様、本当にありがとうございました。

田中 麗(基礎クラス14-2受講)

私がこのコースを受講した動機は、会話で物語を成立させる、という事に興味を持ったからである。

プロの脚本家が講師の先生であるということが、先生の人柄と相まって、とてもよかった。例えば、大学の先生は研究者の方が多いし、小説家の方エッセイストの方が講師で来られても、講義としては分かりにくかったりもした。

楠本先生以外の講師の方々も、色々な立場からの話が聞けて楽しかった。正直なところ、毎週課題をこなすのは、なかなか大変であったが、他の講師の講義が入ることで課題に取り組むための時間と気持ちの余裕が生まれて、助けられた。

中島監督の講評については、映画の全盛期から数多くの映画を手掛けてこられた方の意見は、映像化する場合の視点がより実践的であると感じた。苦しまぎれに出番を増やした、主人公の父親像を評価して頂けて光栄であった。生徒の作品を全部読んで頂けていたので、嬉しかった、という他の生徒の意見もあった。

提出した課題の脚本『鱧、食べたい』の改稿であるが、主人公をどう変化させるかとともに、変化をどうやって現していくかを考えて、取組むつもりである。

半澤 恵子(基礎クラス14-2受講)

「書くことを再認識」

私は1期(2013年4月〜8月)で安田先生の講義を一度受けたのですが、今回、楠本先生の講義を受けて、大変有意義なものを得ることができました。

と言うのも、「アウトライン」「プロット」「ハコ書き」といった、今まで我流でやってきてモヤモヤとしていたものが、回を重ねて、「こういうものですよ!」とハッキリと認識できたからです。

文字通り順を追ってシナリオ完成まで持って行くプロセスが、非常に分かりやすかった。また、それによって、「なるほど!こうすれば話を作ることができて、スッキリと登場人物がテーマに沿って動いてくれる!」ということが、二回目にしてストンと腑に落ちたように感じました。

また、実際の映画を例に、面白い脚本作りの基礎を分かりやすく学ぶことができました。「トリッキーなものを目指さず、素直に「三幕構成」に沿って書けばよろしい」と、過去に書いた作品を振り返ると、確かに当てはまることばかりでした。
少数精鋭で、回を追うごとに課題は苦しくなっていったものの、それにもまして楠本先生の熱いコメントが書かれた朱ペンに愛を感じ、また応えたいと頑張ることができました。

「シナリオはこう書くものだ。しんどいけど、これさえやっておけば後々楽だ」というセオリー、「自分の脚本を自分で演じてみろ」という実践が学べて、得られたことは大きかったです。

一人で書くのは孤独です。自分一人の世界だけでしか脚本を見ることができなくなってしまう。でも、「こうしてみれば」という提案や、「それはないわ」という批評をくださった志摩プロデューサーと事務局田中さん、最後の本ウチで、自分の作品でもないのに、有意義なコメントを下さった他の生徒さん、役者目線で脚本のイメージを立ち上げてくださった俳優のお二人、本当にありがとうございました。

これからまだまだ改稿して、中島監督に「今年はイイ出来ですぜ」と提出できる作品を作ろうと思います。そして、中級クラスで、一皮むけた自分をお見せできるように、頑張ります。

北村 紗代子(基礎クラス14-3受講)

今回、私は初めて脚本を書くことに挑戦させていただきましたが、受講するに当たって不安はありました。

私は小さい頃から長文を書くのが苦手で読書感想文200字書くことすら苦労していたので、全10回で脚本を書き上げることができるのか分かりませんでした。

初回の授業で先生から課題の締め切りが厳しいよと言われ、さらに不安が募りましたが、結果的に20枚もの脚本を書き上げることができ自分でも驚いています(笑)。

これはたまたまなのですが、同い年の受講生が同期に2人いたというのも自分にとっては励みになりました。
授業後、駅の改札付近で2,30分くらい立ち話をしながら反省会をしたこともありました(笑)

●今後の目標
やりたいことがたくさんあるのですが、1つは地元・京都をテーマとした脚本を書くことです。
また落語や歌舞伎が好きなので、そういう脚本を書けたらいいなと色々と妄想しています。

先生・スタッフの皆さま、ご指導いただきありがとうございました。

仲野 克哉(基礎クラス14-3受講)

「創作と人生」

楠本先生ご講義の柱である「主人公がどのように成長していくか、その行動変化を描くのが脚本」「主人公の行動目標の設定がキーポイント」のシンプルさに、深く同感しました。そして、このシンプルな法則は人生そのものにも当てはまることに気がつき、自分の歩んできた「シンプルなことが(も)出来ていない」人生を深く反省する、という おまけが付きました。しかし、シナリオ作りの基礎は分かって形あるものを作っていくことの苦しさと言ったら、七転八倒と言ってよいほどです。

▶企画段階:楠本先生の仰った通り、ここは楽しいです。時代や場所、何となくおもしろくて華のありそうな登場人物を5パターンくらい夢想するのに、何の苦労もありません。後で考えると、この段階で既に発想が貧弱なのですが。

▶アウトライン段階:企画の中で、ものになりそうなものに絞り物語の粗筋を考えますが、早くも自分は一体どんな物語を作りたいのか、と迷路に入ります。悲劇か喜劇か。恋愛モノか家族モノか。現代劇か時代劇か。主人公は男か女か。迷った挙句、今 自分にはこれといって書きたいテーマはない事に気づきます。特に食べたいものがないのと同じ。知的ハングリーさに欠ける人生を送ってきた自分に気が付きます。

いや、自己弁護も兼ねて申し開きをすると、私にも人生の悩みはあるし、それはドラマの主題にもなり得ます。しかし、今はそれを特にドラマ化、シナリオ化したいとは思わないのです。自分の経験や感情をぐいぐいと言葉、科白にしていく覚悟や気力がない、と言いますか。創作活動をするためには、ハングリーさ、覚悟、気力が要ると思います。
従って、私は自分の感情や人生からは離れた、他人の人生に材を探してしまいました。そちらの方が楽だから。
しかし、他人事から物語を生み出すためには「是が非でも書きたいテーマ」を日頃から求め、温めておくべきだと思います。
私は、自分でも全然 感動しそうもない、しかし一応話のつじつまの合うアウトラインを作りました。

▶企画書・プロット段階:ここから難度がぐんと上がります。企画書(らしきもの)を書いてみると、我ながらその詰まらなさに嫌になります。せめて「おや?」と気を引くユニークさが欲しいのですが、斬新な発想が湧いてきません。
では、企画書は後回しにして、ともかく論理緻密な物語のプロットを作ろうと思っても、進むべき方向が決まっていないだけに迷走します。また、第3者から「なぜ主人公はそう考えるのか?」「主人公のその時の心理状態は?」と突っ込まれて聞かれると、それに答えるに必要な、主人公の人格の確立が出来ていないと分かります。楠本先生が仰った「先ず、主人公はどんな人間か、徹底的に細部を考えておくこと」の必要性が痛感されます。

▶ハコ書き:何とか登場人物の輪郭とプロットらしきものは出来ました。ここからは、楠本先生が仰る「頭の中でカメラを回せ」にすがり、主人公ら登場人物が頭の中で自然に動き出し、物語を紡いでいってくれることを期待しました。確かに映像のイメージらしきものは頭の中にぼんやりと浮かびますが、主人公が、他の登場人物が、自ら立ち上がって歩きだす気配はありません。こちらで無理にでも動かすほかなさそうです。
途中で、次のシーンをどう展開すれば良いのか分からなくなってしまいました。しかし、アウトラインの段階に戻り、一から作り直す時間もありません。

▶シナリオ書き:30分ものでも400字30枚の結構な分量となります。我ながら発想がおかしいですが、これだけの分量を生み出すにはどうしたら、と悩み、登場人物にとにかく語らせることにしました。そうすると、登場人物たちの言葉だけはどんどん紡ぎ出されるのです。しかし「主人公の行動変化」という主軸にはつながらない無駄な言葉の羅列とも言えます。楠本先生の仰る「ストーリーが先に進まない」状態です。
時間もなくなり、脇役たちに長尺の背景説明をさせてストーリーを強引につなぎ合わせるだけで終わりました。これでもシナリオと言えるなら、しかしこれでドラマを撮りたいと思う人は私を含めて皆無でしょう。全然おもしろくないから。

やはりドラマは観客である人間のために、人間の営みを見せるものである以上、人間以外のもの、宇宙や自然や動植物からは始まりません。その人間像が確立していないのだから、環境や歴史背景等をいくらいじっても、少なくともおもしろいものにはなりません。

がっくりした自分を励まし次作に挑むために、これから私は主人公探しの旅に出ます。出会う人、TVに出ている人、新聞記事に出ている人、あるいは小説の登場人物。これは、と思う人物に出会えたら、あるいは私の頭の中にそういう人をしっかりイメージできたら、私は再びキーボードに向かいシナリオ作りを始めるでしょう。

そして実は、私は私自身の「しょーもない」人生を描きたいのです。他人事の取材や想像をする必要もなく、「わたくしネタ」はたくさん持っているから。しかし、それだけの覚悟や気力を備えることができるかな?

タケル(基礎クラス14-3受講)


 

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