映画は配給・宣伝・公開されなければ人に観られることはない。

シネマカレッジ京都2013後期 配給・宣伝クラス
第4回、第5回

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受講を通じて感じたこと。

まず、私がこの配給・宣伝コースに入ったのは、映画が好きだから。そして友人がカレッジの別コースに所属しており、面白そうだったからだ。しかし今回、授業で講師の方の話を聞いて映画と自分の関係を見直すキッカケになった。まず「映画好き」というだけでこの映画業界は生きていけないと感じた。このコースを受講するまで配給・宣伝のことは全く知らなかった。映画好きといっても気になった作品を劇場で観たり、レンタルショップで借りたりその程度のことぐらいだった。でも配給・宣伝があることで作品を知り、実際に鑑賞する。映画においてこれら2つがなければ日の目をみない作品もあったかもしれない、といった感想を持った。

映画配給の話を聞く以前に神戸アートビレッジセンター(以下KAVC)で「えいがの宣伝会議 パート2」に参加した。これはシネマカレッジ京都の配給・宣伝クラス講師でもある田辺ユウキさんによる講座だ。
5人一組でグループを作り、ひとつの映画をどのようにPRするか具体的な案を考える内容だった。予告編と登場人物などの限られた参考資料だけで案を出す。田辺さんは「自由な発想、何もとらわれずに…」と言うが、この自由な発想が難しい。でもこれを仕事にしている人は与えられた条件を満たすためにプランを提案し、おまけに興行的にも成功させなければならないんだろうと思うと楽にできた。KAVCでの講義は学生から社会人まで年齢層はバラバラだったが、案としてSNSを使ったり、ラジオとのタイアップなど様々な意見がでた。金銭的な縛りもなく考える時間も多くあった。何より考え方が違う人が集まり意見を出せるのが最大の強みで、面白かった。いろんな制限があったが、それがなかったらと思うと、また違った意見がでていたかもしれない。

シネマカレッジ京都の配給・宣伝クラスでは、映画館の運営の話、宣伝費、制作費、そして実際に公開されてからの興行収入…と現実的なお金の計算もした。

現実は厳しい。
知り合いから儲からないとは聞いていたが想像を超えていたのが本音だ。
金、金と書いているがひとつの作品に徹底的に関わりどのように宣伝するかを考えるのは楽しい。KAVCでは案を出し合ってプレゼンすることの楽しさを知り、京都では業界の現実を知り、自分の映画に対する見方を見直した。

受講する前に映画を通してやりたい企画があった。未だに明確ではなく、現実的な行動もできていない。そして自分には知らないことがまだまだ多い。これからはひとつの作品を観る前にその映画がどのように宣伝されているか、配給会社はどこか。小さいことでも興味を持ち、どんどん取り込んでいきたい。

まだまだ道のりは長い。


シネマカレッジ京都2013後期 配給・宣伝コース
宮本 裕也