脚本中級クラス 受講生レポート(随時更新)
脚本中級クラスの受講を終えた皆さんのレポートです。
基礎クラスを経た者のみが中級にステップアップできるのですが、中級ではより実践、つまり「出来のよい脚本を仕上げる」ことを目指します。講師・事務局も一緒に、書かれたものがどうやったらよくなっていくかを考えながら、皆さんに「改稿」をして頂きます。これは、ものすごくしんどくて厳しい作業です。もちろん、一番しんどいのは参加された受講生の皆さんです。しかしそれを引き受けてでも「面白いホンを書きたい」という志が人にはあるのですね。まだまだ道半ばですが、この道を歩みつづける皆さんに、シネマカレッジ京都はできるかぎりのサポートをしていく所存です。
「シナリオを通じて学んだこと」
基礎から中級クラスに進み、さらにシナリオについて深く学ぶことができました。
特に「テクニックよりも大切なこと」です。
シナリオを書く上で、作者が「世に訴えたいテーマ」をはっきり、くっきりさせていなければ、いくら面白い話だと書いてみたところで、観客の心を打つことは決してないと身に染みて思いました。
もちろん、シナリオを学ぶことで、仕事上でも重要な点をいち早くつかみとり、的を得た文章を書き、相手によりわかりやすく伝えるスキルは、身につきます。
しかし、人を感動させる作品をつくるには、「人間」をつくり、勇猛果敢に挑戦し、七転八倒しながら、自分が大切にしているものをすべてをさらけ出し、相手にぶつけなければ、何も伝わらないのです。
自分を磨くのに最適な講座です。
再度、ゼロから挑戦します。
佐々木 基滋
「ごまかないように。」
「自分で納得のいっていないことはごまかせない」と思い知らされた2回目の中級クラス。
それがどんなに小さな点だとしてもごまかしながらの改稿は、物語に歪みを生んでしまう。…と頭では分かっているけども、何故だかそれを繰り返してしまう悪循環。
「あぁ、こんなことならもうこの主人公、消してしまいたい」と何度も思いましたが、それでも何とか改稿を続けられたのは、自分以上に自分の作品に真摯に向き合って下さる先生や受講生の存在があったから。
誰かに自分の作品を読んでもらえて、そして一緒に考えてもらえるということは本当にありがたいことです。
おかげで物語の主人公も姿を消さずに済みました。
さて、いかに納得できるところまで改稿できるか、それが今後の課題です。
ごまかさない作品を書いていきたいと思います。
田中 麗
「脚本には筆者が表れる」
脚本中級クラスを受講したのは二回目です。
前回のクラスを受けた経験上、楠本先生のメソッドに沿って、「マインドマップ」「プロット」「ハコ書き」と下積みして事前の60分課題を提出したつもりでした。
そして何より、前回やらかした、「テーマ」について、考えて書いた「気」になっていました。これが、今回のクラスで最も自分を苦しめることになろうとは思いもしなかったです。
今回は、前回と比べて、二回の改稿があり、時間的にも体力的にもキツイキツイ。しかし、それよりキツかったのは、テーマに振り回されて根本的な改稿ができず、先生に指摘された所をモグラ叩きのようにポコポコ小手先で直し、自分の作品から「逃げて」いたところです。「一体どうすれば!?」と、自分の情けなさに歯がゆい思いで帰途につく日もありました。主人公は、すなわち自分自身との向き合い方にありました。
自分の作品なのに自分で消化できていない。なのに楠本先生には、「北村さん、理系でしょう?」と見破られてしまう始末。頭でっかちに考えても、良い作品にはならないのです。もう、他の受講生さん達の中で、自分が一番ダメダメなんじゃないかと思いましたが、「指摘された所こそ自分の伸びしろ」と開き直るしかありません。
事務局回で、受講生が同じ映画を観る回があって、脚本・監督の方とお話しできたのは、すごく参考になりました。上映後、事務局スタッフさんと受講生交えてお茶会して、意見を交わせたのも楽しかったです。また、「もしこの脚本が企画として上がったら、プロデューサー目線ではどう映るか」ということも学ぶことができました。
二回目の中級クラスは、まさに「実践」でした。「脚本を書くということは、こういうことだ!」と鞭打たれた感じです。まだヒリヒリしているうちに、4稿目、さらに新しいものを書く準備をしたいと思います。
北村 紗代子