どうして演技中に「迷い」が生まれてしまうのか
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2013年8月3日 俳優・演技クラスB 第7回レポート
講師:谷口正晃監督
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シネマカレッジでの前回の授業から早二ヶ月—。
谷口正晃監督が再び京都に登場です!
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事前に受講生へと配布されていた課題脚本を基に、実技を進めていくのは
いつもの谷口監督式WSの風景です。
が、今回興味深かったのは課題のシーンとは別のシーンが、直前に追加さ
れたことでした。
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登場人物がどんな気持ちでその場に立ち、言葉を紡いでいるのかをより深
く実感してもらうため、短いシーンをウォーミングアップ的に演じた後、
課題のシーンを演じてもらったのです。
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これは映画撮影で言うなら「順撮り」に近い手法。
登場人物の心境を繊細かつ丁寧に描くことで知られる谷口監督らしい授業
となりました。
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ちなみに監督はいつもシナリオを課題シーンのみではなく、全体を用意し
て受講生に呼んできてもらうのですが、授業の冒頭で監督が「この脚本は
何日間の話かわかる?」と受講生に尋ねたところ、受講生が言い淀んでし
まう場面がありました。
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登場人物が物語の中で積もり積もっていく感情を表現するためには、脚本
を深く読み込み、エピソードの時系列や比重を抑えておくのは必須の作業。
現場で通用する演技力を身につけるためにはまず、入念な準備を怠らない
意識が必要となるのです。
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また、この日の監督が再三受講生に言い伝えていたのは「演技中に余計な
間をとるな」ということでした。
登場人物の気持ちを脚本から捉えられずに、迷いながら演じているから不
必要な間が生まれてしまうのだという指摘はとても鋭く受講生に突き刺さ
ったようです。
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漠然とカメラの前に立つのではなく、しっかりと自分が何者であるのかを
自覚していないと演技はできません。
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基本中の基本は脚本の読み込みなのです。
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