映画がお客さんに届くまで

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2013年11月7日(日)、12月1日(日)
後期 配給・宣伝クラス 第4回、第5回レポート

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全10回を予定している配給・宣伝クラスもいよいよ中盤戦へ。

これまでの回では受講生一人一人考えている企画を進行するにあたり、講師の方にアドバイスを頂きつつ見守っていただいていた。俳優コースが製作した映画の告知イベントを催す人や神戸で上映会を開きたい人など、個々人の自由な意志が尊重されている。私は「映画館を営んで生きていく」という企画(目標)を設定し、今、本を読んで学んだり、直接赴いて映画鑑賞をしてみたりしている。

そして、第4回・第5回の講義では自分たちの企画の進行に加えて、映画が製作されてから観客に届くまでの「配給・宣伝・興行」という仕事について、講義の会場でもある元・立誠小学校特設シアターの事例をもとにざっくばらんにお話いただいた。実際、劇場を運営するにはどれくらいの収支になるのか、製作・配給・興行での一般的な予算の振り分けをお聞きした。

映画は作られただけで終わりだけでなく、それがお客さんに届いて観てもらうまでが映画である。芸術としてだけではなくビジネスとしてどう成り立たせるかも重要になっていく。それが出来るか出来ないかで、次の製作にも関わってくるからだ。より多くの人に観てもらいたい、という製作関係者の願いを叶えるために考えて動くのが配給であり宣伝である。

配給・宣伝・興行に関して、シネコンで上映されるような作品は強大なネットワークを生かしてより多くの人に周知し、関心を惹き付ける事が可能になる。ただ、映画というのは莫大な予算を掛けたメジャーな作品だけでは、決してない。予算の限られた作品に関しても、頭を柔軟にして宣伝企画をして関心を寄せてもらうべく講師の方々をはじめとする配給・宣伝を日々奮闘しているのである。講師の方々は、「ブロッコリーを劇場に持ってきたら割引をする」や「インターネットで生配信をしながら夜通しチケットを車移動で売り歩く」などの宣伝企画とその意図を説明していただいた。

また、シネコンが全国各地に増えていく中で、興行側である映画館も様々な工夫が求められている。お客さんに飽きられないように番組の特集を組んだり、ゲストを呼んでイベントを催したり。勿論映画館は映画を観るために存在しているのだが、それだけでは生き残ってはいけないため、地域への貢献や将来を担う子どもたちに映画の面白さを伝えていく等、文化的側面にどれだけ積極的に重視されている。映画館を営んでいくという目標を持っている私としては、今後の参考にしていきたい部分である。

これから後半戦に入る講義では個々人の企画を進行していき、実現に向けて具体的な策を考え行動していければと思っている。


シネマカレッジ京都 2013年後期 配給・宣伝クラス
林 俊樹