キャラクターの距離感を理解して台詞を表面で捉えない

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2013年8月4日 俳優・演技クラスA 第13回レポート
講師:谷口正晃監督

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土曜日クラスに引き続き、日曜日クラスにも谷口監督が登場。
進行も課題脚本も昨日と同じですが、人が変われば演技も変わります。
日曜日クラスの受講生がそれぞれの個性を演技にぶつけ、谷口監督の
指導を受けました。
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今回の課題のポイントは「距離感の変化」。
見ず知らずの人間が出会い、ともに時間を過ごす中でどんな風に気持ち
の変化が訪れ、お互いの距離感が縮まっていくのか。それを、異なる時
間列のシーンを複数演じることで、表現してもらいました。

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しかし、この距離感の調整はほんとうに難しい。
距離感がまだ遠いシーンで、相手に対し感情をあらわにすることは違和
感があります。かといって、感情を抑えすぎたら冷たい芝居になってし
まう。距離感が縮まってからの芝居もまた然り。なかなか演技がうまく
いかず、悔しさに涙をにじませる受講生もいました。

課題には、人生の一大事に直面し臆病になってしまっている男性を、女
性が説得するシーンがありました。女性陣は必死で感情をわきあげて、
心のこもった演技をしようと努めたのですが、どうもしっくりときませ
ん。すると谷口監督から「相手をわがままな子供だと思ってやってごら
ん」とアドバイスが。その通りにしていると、違和感の消えた芝居にな
っていました。
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「言葉の表面だけを捉えてしまうと、まるで女性が説教をしているよう
にも解釈できるシーン。だけど、そうじゃない。このシーンで登場人物
の心の距離はもっと近づいているはず」

脚本とはあくまで文字情報であり、些細な心の動きまでは書き込んであ
りません。なぜならば、それは現場で俳優により付け足される要素にほ
かならないからです。脚本全体の中でそのシーンはどんな意味を持つの
か。受講生にはそれを自分で考えることのできる俳優になってほしいと
思います。