配給宣伝クラス14-1 第4回レポート
シネマカレッジ京都 配給宣伝クラス14-1 第4回
【講師:SPOTTED PRODUCTIONS 直井卓俊さん】
10月26日、日曜日、第4回目のシネマカレッジ京都 配給・宣伝コースは、直井卓俊さんによる配給・宣伝の講義でした。配給作品『百円の恋』の東京国際映画祭プレミア上映の翌日に京都まで駆けつけて頂きました。
直井さんには、「配給という仕事」「企画プロデューサーという存在」の二つに重点において話をして頂きました。
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●配給が目指すべきは「現象化させる」こと。
インディーズ作品はレイトショー1回きりで上映が終わってしまうものも多いとのこと。いかに作品を多くの人に知らしめ、特に映画ファン以外の人の足を、いかに映画館に向けさせるかという課題に常に向き合う必要があるということでした。
様々な客層を取り入れ、ムーブメントとして仕立て上げる企画力が求められていると話していました。(SPOTTED PRODUCTIONSでは映画の熱量を伝播させることを大切にしているということでした。)
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●持続的なムーブメント
直井さんの主催する「MOOSIC LAB」では「映画×音楽」をテーマに毎年、若手の監督とアーティストを組み合わせ、作品を制作されています。映画ファンだけでなく、音楽ファンも楽しめるムーブメントが継続されています。
また直井さんは若手の作家や俳優、ミュージシャンを積極的に採用していくことで、ポップカルチャーを先駆けるプロデューサーとして第一線を走っています。若手の発見、関係性の継続を通して、配給元のカラーを徐々に作り上げていくことができるのだと思います。
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●劇場の期待に応えること
配給の根本的な仕事である、「スクリーンをブッキングすること」を成し遂げるために、劇場の期待を知り、その劇場で流れる作品の色を見極めることが大切ということでした。現在の劇場が期待しているものは、カルチャーやシーンを作り上げる企画力、次の次を見通した配給にあるとおっしゃっていました。
作品に合う劇場の雰囲気や場所、時期を探し、作品を劇場に行って帰るまでを、映画の体験として演出すること、それが配給が担うべき重要な役割なのだと思います。
この日は配給や企画のお話以外にも宣伝の映画へのかかわり方(映画が完璧にパッケージ化されてしまう前に、積極的に介入していくことが必要であるということ)やSPOTTED PRODUCTIONS設立の経緯なども楽しくお話して頂けました。次回、直井さんの講義は12月7日の予定です。「独自の上映会や来年MOOSIC LABなど、ムーブメントをつくることを意識して、企画を考えること」が宿題として課されています。
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大泉 恒平
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